機内で乗客が乗務員に熱湯ぶちまけ、カップ麺めぐり

乗客が絡むトラブルで航空機の遅れが頻発している

2014.12.16 Tue posted at 11:48 JST

北京(CNN) タイのバンコクから中国・南京へ向かっていた格安航空エアアジアの旅客機内で、乗客が客室乗務員にカップ麺用の湯をぶちまける騒ぎがあった。同機はこの事態を受けてバンコクに引き返した。

中国国営メディアが目撃者の話として伝えたところでは、11日夕に同機がバンコクのドンムアン空港から離陸して間もなく、若い男性客が、連れの女性のためにカップ麺用の熱湯を持って来てほしいと客室乗務員に頼んだ。しかし安全な高度に達するまで待つよう告げられると食品を通路に投げ捨てて踏みつけ、なだめようとした乗客に怒鳴り散らしたという。

その後客室乗務員が熱湯を持って来て60タイバーツ(約200円)を請求すると、男性客は中国の通貨で釣り銭を求め、領収書の発行を要求。再び口論になったところで連れの女性客が、客室乗務員の背中に湯をぶちまけた。

乗務員が女性客に謝罪を求めると、今度は男性客が逆上した。乗り合わせた乗客が撮影したビデオには、男性客が中国語で「この飛行機を吹き飛ばしてやる」などと叫ぶ様子が映っている。

乗客の行為に対して罰金では手ぬるいとの声も

同機はこの騒動でバンコクに引き返すことになった。それを知った女性客は窓をたたいたり、飛行機から飛び降りると言って騒いだりしたという。

同機には乗客174人と乗員6人が乗っていた。エアアジアは「女性乗客の行為によって他の乗客が危険にさらされ、機内サービスが妨害されていると機長が判断し、ドンムアン空港に引き返すことにした」と説明している。

騒ぎを起こした男女と、連れの友人2人はタイの当局に事情を聴かれ、5万バーツ(約18万円)を客室乗務員に支払うよう命じられた。女性客は秩序を乱したとしてさらに200バーツ(約720円)の罰金を、残る3人はそれぞれ100バーツ(約360円)の罰金を命じられた。

中国ではこの男女の「恥ずべき」行為を嘆く声がインターネットで広がり、罰金のような手ぬるい対応ではなく、犯罪として取り締まるべきだという意見が殺到している。

海外旅行客の増加に伴って、米国や欧州などの国際便でも乗客トラブルが増加

航空機の遅れが頻発する中国では乗客が騒ぎを起こすのは日常茶飯事。海外旅行客の増加に伴って、米国や欧州などの国際便でも中国人乗客が絡むトラブルが相次いで伝えられている。

中国国家観光局は今回の騒ぎを引き起こした4人について、「中国人のイメージを著しく傷つけた」と述べ、地元当局に捜査を指示したことを明らかにした。

一方、本人たちは翌日のエアアジア便で南京に到着後、前日のトラブルは自分たちの責任ではないと明記した声明を出すようエアアジアに要求して降りることを拒んだと伝えられている。

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