(CNN) イスラエル軍機とみられる軍用機が7日、隣国シリアの首都ダマスカスの国際空港付近と同市郊外の町ディマスを空爆した。シリア当局と、英ロンドンに拠点を置くシリア反体制派の非政府組織(NGO)「シリア人権監視団」が報告したが、両者の説明は食い違っている。
国営シリア・アラブ通信(SANA)は、イスラエル軍機が空港付近とディマスの「安全地帯」を攻撃したと伝え、「わが国に対する非道な攻撃だ」と非難した。
シリア軍も声明で、空爆の標的は民間人だったとの見方を示し、一部の建物が損壊したと発表。「イスラエルがシリアでのテロ支援に直接関与していることが証明された」と非難するとともに、全土でテロとの戦いを続ける方針に変わりはないと強調した。
一方でシリア人権監視団は、標的となったのはディマスの軍事区域だと主張。空港では輸出入品の倉庫が狙われたが、この倉庫に武器が入っていたかどうかは不明だと述べた。現場には10回以上の爆発音が響いたという。負傷者が出たかどうかは明らかでない。
イスラエルは今のところ反応を示していない。同国は過去にも、「外国報道」についてのコメントを拒否している。
イスラエルは今年3月、シリアから占領しているゴラン高原でパラシュート部隊が爆弾攻撃を受け、隊員4人が死亡した事件の報復として、シリア側の軍施設を砲撃、空爆した。ヤアロン国防相は「シリア国内で起きていることはアサド政権に責任がある。アサド政権が今後もイスラエルを攻撃しようとするテロ組織に協力し続けるなら、その行動を後悔させるべく、引き続き重い代償を払わせる」と強硬姿勢を示した。
イスラエル軍、シリア首都近郊を空爆か