米軍の救出作戦失敗、米人質ら2人死亡 イエメン

米海軍特殊部隊による救出作戦が失敗に終わり、人質2人が殺害された

2014.12.07 Sun posted at 10:40 JST

(CNN) 米国防総省は6日、米海軍特殊部隊SEALs(シールズ)が5日に中東イエメンでアルカイダ系過激派組織の人質となっていた米国人フォトジャーナリスト、ルーク・サマーズさんらの救出作戦を実行したものの、作戦は失敗に終わり、サマーズさんら人質2人が殺害されたと明らかにした。

サマーズさんは昨年、イエメンで「アラビア半島のアルカイダ(AQAP)」に拉致された。AQAPは4日に公開したビデオにサマーズさんを登場させ、米国が3日以内に要求に応じなければサマーズさんを殺害すると予告。米国防総省幹部によれば、サマーズさんが6日朝に殺害されるとの情報もあった。ヘーゲル米国防長官によると、オバマ米大統領はサマーズさんに命の危険が迫っていると判断して救出作戦を命じた。

作戦は国防総省が4日までに収集した情報に基づき、5日午後5時ごろ実行された。SEALの隊員三十数人と医療チームが輸送機「オスプレイ」2機で出動。着陸地点からさらに10キロ歩いて、2人が拘束されていた場所の奇襲を図ったが、直前に気付かれ銃撃戦となった。この時、AQAP側のだれかが拘束場所へ戻り、サマーズさんともう1人の人質を銃で撃ったとみられる。

SEALのチームは2人を空路、近くの米軍艦へ運んだが、1人は到着前に、もう1人も到着後に死亡した。チームのメンバーは無事だったという。

サマーズさんとともに殺害されたのは、昨年5月に拉致された南アフリカ出身の教師、ピエール・コーキーさんと判明した。コーキーさんが所属していたとみられる援助活動団体によると、コーキーさんは交渉の結果、7日に解放される見通しとなり、5日には妻子との再会に向けた最終調整が進められていたという。

オバマ大統領は声明でAQAPを非難し、サマーズさんとコーキーさんの家族に弔意を表した。

SEALは先月、イエメン軍特殊部隊との共同作戦でAQAPの拠点を急襲し、拉致犯7人を殺害、人質8人を救出した。しかしAQAPは作戦の2日前に、サマーズさんら5人の人質を別の場所へ移動させていた。

救出作戦失敗、人質2人が死亡

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