(CNN) 大勢の人通りでにぎわうトルコ・イスタンブールの路上で、歩道に座って笛を吹くホームレスの少年。時折小銭を置いていく人もいるが、ほとんどは気にも留めずに通り過ぎる。
1日の稼ぎは米ドルにして10ドル(約1180円)程度。それでも母親と4人の兄弟の生活の足しにするため、何時間も吹き続ける。
6歳だという少年は、内戦が続くシリアのアレッポを逃れ、一家で1年ほど前にトルコにやって来た。今は公園で暮らしているという。
反体制派の拠点となったアレッポは、政府軍に攻撃されて激戦地となり、父は同地で死亡した。
少年は頭痛がすると訴え、アレッポの銃撃のことを口にする。
街中での物乞いは禁止されている。この日は帰宅途中に警察に見つかって笛を取り上げられ、5ドルで新しい笛を買い直した。1日の稼ぎの半分がなくなっても、家族が希望を持ち続けられるなら高い出費ではない。
だから明日も吹き続ける。
トルコに逃れた難民は、国連の統計で約100万人、トルコ政府によれば160万人に上る。この数カ月はイスラム過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」の台頭で、シリアからの難民が再び急増している。
路上で笛吹くシリア少年