警官不起訴で略奪や放火続発、銃声も 米黒人少年射殺

炎があがるパトカーの前を走る警官

2014.11.25 Tue posted at 17:17 JST

(CNN) 米ミズーリ州ファーガソンで18歳の黒人少年、マイケル・ブラウンさんが白人警官に射殺された事件で、警官を不起訴とした大陪審の判断を受け、同市の一部住民らが暴徒化、略奪や放火を繰り返している。

ファーガソンでは24日夜に不起訴が決定した後、抗議デモ参加者の一部がパトカーの窓を破って横転させようとしたり、れんがで飲食店の窓をたたき割ったりした。CNN取材班によると、市内には複数の銃声が響き渡り、警官隊が催涙弾を発射した。

デモ参加者の1人がCNNに語ったところによれば、群衆の中にいた女性が心臓発作を起こしたが、その女性を救出しようとしたグループも催涙ガスを浴びた。

ブラウンさんが射殺事件の直前に葉巻を盗んだとされる商店が略奪されたとの情報もある。

デモ隊は市内の主要道路を占拠し、商店などに放火。日付が変わるころには、大通り沿いに並んだ建物がすべて炎に包まれた。市内各地で多数の火災が発生し、消防隊の手が回らない状態だという。

デモ隊に銃口を向ける警官

住民の1人はCNNに「こんな行動は何の役にも立たない」と語り、「街はこれからどうなるのか。再建の見通しはなく、近いうちにゴーストタウンと化してしまうだろう」と懸念を示した。

死亡したマイケル・ブラウンさんの父親は発表の前から「他人を傷付けたり建物を破壊したりする行為は答えにならない」と、デモ隊に平静を呼び掛けていた。遺族は不起訴発表後にも弁護士を通し、「暴力ではなく平和的で建設的な行動を望む」と述べた。

またホルダー司法長官は、連邦当局としてブラウンさんの市民権侵害を巡る捜査を続けると強調した。

しかし抗議デモはファーガソンだけでなく、ニューヨークやシカゴ、ワシントンのホワイトハウス前にも飛び火している。

黒人射殺の警官不起訴で暴動

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