(CNN) 過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」が米国人の人質やシリア軍兵士らを殺害したとする映像を公開した問題で、フランス当局は17日、実行犯の1人として同国出身の戦闘員が映っているとの見方を示した。
カズヌーブ仏内相によると、情報当局による分析の結果、「フランス人が犯行に直接関与した可能性が非常に高い」ことが分かり、当局が調べを進めているという。
この人物は、人道支援活動と称して昨年シリアへ渡ったマクシム・オシャール容疑者(22)とみられる。自ら過激思想に傾倒したとされ、治安当局は11年ごろから同容疑者の動きを監視していた。
今年7月には仏放送局とのインタビューで、戦闘員としての生活について「武器も衣服も日常品も無料で支給される」「集団としての目的は世界にイスラム法を確立すること、個人的な目的は殉教」などと語っていた。
仏検察当局者によると、当局はさらに、映像中の犯行にもう1人のフランス人が加わっていた可能性もあるとみて詳しく調べている。
ISISが16日に公開した映像には、人質となっていた米国人の支援活動家、ピーター・カッシグさんの首を切断した後とみられる場面や、覆面なしの男数人がシリア軍のパイロットとされるグループの首を切って殺害する場面が映っていた。これまでに公開された中で最も残虐性の高い映像とされる。
ISISは現在も、米国人の女性支援活動家と英国人ジャーナリストを拘束中とみられている。
ISISの人質殺害、フランス人関与か