CNN、ロシアでの放送を停止へ メディア規制の強化で

CNNはロシアでの放送を今年末に停止

2014.11.13 Thu posted at 16:03 JST

ロンドン(CNNMoney) 米タイム・ワーナー傘下のターナー・ブロードキャスティング・システムは、ロシアでのCNNテレビの放送を今年末に停止すると発表した。ロシアで最近相次ぎ成立したメディア規制を受けた措置。

ターナーは21年前にロシアでCNNの放送を開始。今年12月31日で放送提携先との契約を終了する。ただし、子ども向けチャンネルのカートゥーンネットワークとブーメランの放送は継続する。

ターナーは声明で「この市場に再び参入したい。サービス再開に関する進展があれば提携先に通知する」と述べ、できる限り早期に放送を再開する方針を示した。

放送停止後も、取材活動を行うモスクワ支局は維持する。

撤退の理由は今年に入り相次いで成立したメディア規制法だ。ウクライナ情勢を巡り欧米諸国との対立が続く中、ロシア当局はメディアへの統制を強めている。

ターナーはロシア市場に再び参入する方針

プーチン大統領は7月、民間の有料テレビ放送でのCM放映を来年以降禁止する法案に署名。10月には、放送や新聞などロシアのメディア企業に対する外資の出資比率を2016年以降20%以下に制限する法律が成立した。また、通信会社やケーブルテレビによる個人情報の取り扱いに関する規制にも修正が加えられた。

特にCM規制を巡っては、欧州安全保障協力機構(OSCE)が情報の自由な流れが制限される恐れがあるとして、プーチン大統領に拒否権の発動を要請。国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団」も規制が抑圧的で、政府側が支配する無料放送チャンネルに有利に働くとして非難していた。

ロシア政府は11日、国民が外国の放送を含む多様な情報源にアクセスできるようにしたいとの姿勢を示し、最近の法改正への企業の対応を支援するための作業部会を設置したと発表した。

国境なき記者団が発表した報道の自由度ランキングでロシアは180カ国・地域中148位にとどまった。

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