マリフアナの長期使用でIQ低下の恐れ 米研究

若い時から長年マリフアナを使い続けるとIQに影響が?

2014.11.12 Wed posted at 16:11 JST

(CNN) 米各地でマリフアナ(乾燥大麻)合法化の流れが加速するなか、若い時から長年マリフアナを使い続けた人は脳の一部領域が通常より小さく、知能指数(IQ)がやや低くなる可能性があるとの研究結果が新たに報告された。

米テキサス大学ダラス校のフランチェスカ・フィルビー博士らが米科学アカデミー紀要(PNAS)に発表した研究によると、10代前半など早いうちからマリフアナを吸い始めた人の脳は吸わない人の脳に比べ、意思決定などにかかわる「眼窩(がんか)前頭皮質」という領域の灰白質の量が少ないことが分かった。

一方でこれを補うかのように、マリフアナ使用者の脳では、異なる領域同士をつなぐ「接続性」が強化される傾向もみられたという。接続性は物事の関連性の把握を助ける働きがあると考えられている。

IQについては、マリフアナを日常的に吸う人は吸わない人より平均5ポイント低いという結果が出た。

研究の対象となった110人のうち、マリフアナの使用者は48人。14~30歳の時にマリフアナを使い始め、毎日平均3回吸い続けている。使い始めてからの期間は10年間が最も多いが、中には30年間という人もいた。

米各地でマリフアナ合法化の流れが加速している

非使用者62人のグループも使用者グループと年齢や性別の構成をそろえ、全員に脳のMRI(磁気共鳴画像法)検査とIQテストを実施した。

フィルビー博士は「こうした変化はそれぞれマリフアナ使用が直接の原因だと断定できるわけではないが、吸い始めた時期や使用期間と関連している可能性が示唆される」と話す。

これに対し、マリフアナ合法化に賛成する団体、マリフアナ政策プロジェクト(MPP)の広報担当者は「研究者自身が断定的な結果ではないと認めている。マリフアナを非合法にしておく根拠にはなり得ない」と主張。「マリフアナが脳や体全体に影響を及ぼすとしても、アルコールに比べればはるかに害が小さいことは確かだ」と強調している。

マリフアナが体に与える影響

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