メキシコ学生43人失踪、犯罪組織が殺害して燃やして川に 

2014.11.08 Sat posted at 10:42 JST

(CNN) メキシコ南部ゲレロ州の都市イグアラ近くでメキシコ人の学生43人が行方不明となっていた事件で、メキシコのカラム検察庁長官は7日、学生らは市長の命令で警察に拘束された後、犯罪組織に引き渡され、殺害された上、遺体は燃やされ、川に遺棄されていたと発表した。

カラム長官は、これは捜査員らが出した結論だとした上で、DNA鑑定で遺体の身元を確認しないと確かなことは分からないとも付け加えた。ただ、遺体は念入りに燃やされており、DNAの抽出は困難としている。

カラム長官によると、学生らの失踪に関連して逮捕された3人の男が、この学生らと見られる人々の殺害を認めたという。学生らを拘束した警官らは、学生たちをこの3人の男に引き渡した。男らは、麻薬密売組織「ゲレロス・ウニドス」の構成員だという。

同国の捜査当局は4日、事件の「首謀者」とされるイグアラ市のホセ・ルイス・アバルカ市長と妻のアンゲレス・ピネダ容疑者を逮捕した。

犠牲となった学生らの大半は20代男性で、教員を目指して大学で学んでいた。学生らは9月26日、抗議デモを行うためバスや車を連ねてイグアラ近郊に向かっていたが、その後行方が分からなくなっていた。

カラム長官によると、アバルカ市長は警察に学生らが乗ったバスの走行を妨害するよう命じたという。警察は学生らを2度に渡って攻撃。最初の攻撃で3人を殺害し、2度目の攻撃で学生らを強制的に警察署に連行した。その後、学生らはゲレロス・ウニドスの構成員らに引き渡されたという。

構成員らは、学生らを複数のトラックに載せ、ゴミ捨て場に連れて行った。学生らの何人かはすでに死亡しており、生存者は構成員らに別の犯罪組織との関与について質問された。カラム長官によると、学生らが犯罪組織に関わっていた証拠はないという。

学生らの殺害を自白した3人の構成員は警察の取り調べで、正確に何人殺害したかは覚えていないが、組織のリーダーから40人以上いると聞かされていたという。

殺害された学生らの遺体は、ごみ捨て場でディーゼル燃料をかけられ、タイヤやがれきとともに少なくとも14時間に渡って燃やされた。そして翌日、遺体はさらにバラバラにされ、黒いごみ袋に入れられ、サン・ファン川に投棄された。

ダイバーたちが川を捜索し、複数のごみ袋と遺体を発見。1袋だけ完全な状態で発見され、中に人間の遺体が入っていたという。

カラム長官は「ご遺族はこの知らせを聞いてさぞ心を痛めていることだろう。われわれも全員、同じ気持ちだ」と述べた。

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