ロシア製エンジンが原因か 物資輸送ロケット爆発事故

打ち上げ直後に爆発したロケット。エンジンの不具合が事故原因の可能性がある=NASA提供

2014.11.06 Thu posted at 17:55 JST

(CNN) 国際宇宙ステーション(ISS)への物資を輸送する米国の無人補給船を載せたロケット「アンタレス」が先月下旬、打ち上げ直後に爆発した事故で、ロケットを保有する米民間宇宙企業の首脳は5日、製造から数十年たつロシア製エンジンの不具合が事故原因の可能性があるとの見方を示した。

同企業「オービタル・サイエンシズ」のデービッド・トンプソン最高経営責任者(CEO)が投資家との電話会議で明らかにした。

2基搭載する主力エンジンAJ26の1基が打ち上げから約15秒後に正常に作動しなかったことを強く示唆する証拠があると指摘。1基のターボ式ポンプが故障した可能性にも言及した。

同社の報道担当者は先週、先月28日の打ち上げ後に問題が発生したことが明白となり、ロケットの自爆に踏み切ったことを明らかにしていた。

国際宇宙ステーション(ISS)=NASA提供

同CEOは、旧ソ連時代の1970年代に開発されたこれらのエンジンの信頼性に疑問符が付いたため今後は使用を中止する考えを表明。2016年までのエンジン取り換えに注力するとした。

同社の無人補給船「シグナス」の今後の打ち上げには第三者のロケット導入を進める考えも示した。代替のロケットとしては米の2社、欧州の1社のものが候補とみられるが、最終的な選択は今後1カ月内に下すと述べた。米国の2社は、スペースXとユナイテッド・スペース・アライアンスとみられる。

ISSへの物資補給はオービタル・サイエンシズ、スペースXとロシアのソユーズなどが定期的に実施している。

トンプソン氏はまた、打ち上げ失敗は同社にとって後退と認めながらも、ISSへの物資輸送に関する米航空宇宙局(NASA)との委託契約事業は今後も続行する方針を表明した。この契約は約19億ドル(約2166億円)となっている。

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