話題の「ラクダ」食品、世界に売り込み

アラブ首長国連邦(UAE)ドバイでは、ラクダのミルクや肉を高級食材として販売するビジネスが拡大

2014.11.06 Thu posted at 15:43 JST

(CNN) ラクダのミルクといえばもともと砂漠の遊牧民にとって欠かせない食品だった。だが最近、アラブ首長国連邦(UAE)ドバイでは、ラクダのミルクや肉を高級食材として販売するビジネスが拡大。さまざまなラクダ製品が出回り、一部は外国でも販売されている。

ロンドンにあるセルフリッジズといった高級百貨店でも、ラクダのミルクを使ったUAE産チョコレートが販売されている。

「現在、ラクダミルクをクウェートやヨルダン、マレーシア、オーストリア、英国に輸出しており、非常に好評だ」と語るのは、UAEでラクダミルク生産を行っているキャメリシャスのバドリ氏だ。

ここ数年、キャメリシャスはさまざまな新製品を世に出してきた。最近ではラクダミルクのチーズを世界で初めて発売。2006年には数百頭に過ぎなかったラクダの飼育頭数も、今では4200頭に達している。関連会社のラクダミルクを使った高級チェコレート「アルナスマ」は先ごろ、ラクダミルクのジェラートを開発した。

「この分野では私たちは先駆的存在だ。さまざまな『史上初』を達成している」とバドリ氏は述べる。

UAEでは、他の企業もこの「ラクダブーム」に乗り遅れまいと動き出している。

ラクダミルクのジェラートも

ドバイのカフェ「カフェトゥゴー」は、ラクダのミルク入りコーヒーを発売して世界的な話題となった店。同店のフードメニューには、ラクダ肉を使ったホットドッグやハンバーガー、サラミなども並んでいる。

カフェトゥゴーの創業者ジャシム・バスタキ氏はキャメロスというブランドも立ち上げ、ラクダ肉などをドバイのスーパーマーケットに卸している。

「ラクダ革命で世界に飛び出そう、ラクダカフェの先駆者として進出しようと決意した」とバスタキ氏は語る。今ではカフェトゥゴーのフランチャイズ店はパキスタンやリビア、ケニア、サウジアラビアやカタールでも営業を開始した。

もっともラクダは扱いやすい食材ではない。肉は脂肪が少なく固く、ホットドッグやハンバーガー向きとは言いがたい。ミルクも脂肪分は牛乳の半分で、健康志向の人は喜ぶだろうが、チョコレートの素材としては使い勝手が悪い。

「脂肪分は味に影響するから、(ラクダ乳の使用は)チョコレートメーカーにとって容易なことではない。製品開発は試行錯誤の連続だった」とアルナスマの関係者は語る。

ラクダミルクを使用した石けんも

バスタキ氏も、ラクダ肉メニューの開発は大変だったと語る。最終的に、こぶの中の脂肪を肉に混ぜることにした。

ラクダミルクは健康によいとされている。バドリ氏によれば牛乳と比べて脂肪分が低い一方でビタミンCの含有量は3~5倍多い。消化しやすいため、乳糖不耐症の人にもお勧めだという。

キャメリシャスの輸出が増えた背景にあるのは、こうしたラクダミルクの特性だけではない。昨年、欧州連合(EU)がUAEからのラクダミルクの輸入を認可したのだ。

「我々が進出を計画している国々の市場では、ラクダミルクはまだなじみのない製品だ。それでも知名度は着実に上がってきている」とバドリ氏は言う。

「高い品質と健康効果からわが社のミルクは市場に受け入れられると楽観視している。今はその下地を作っているところだ」とバドリ氏は語る。

今注目の「ラクダ」製品

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