エボラ患者看護の女性が外出、自宅待機求める州と決裂 米

ケイシー・ヒコックスさん(前列左)はシエラレオネでエボラ熱患者を看護した=同氏提供

2014.10.31 Fri posted at 16:01 JST

(CNN) 西アフリカでエボラ出血熱の患者の診療に従事し米国に帰国した看護師ケイシー・ヒコックスさんの自宅隔離を巡り、米メーン州のルパージュ知事は30日、ヒコックスさんとの交渉が決裂したことを明らかにした。

ヒコックスさんはこの日早朝、同州フォートケントの自宅からボーイフレンドとともに自転車で外出。パトカー1台と大勢の報道陣がその後を追いかけた。

ルパージュ知事は数時間後、どこまでの外出を認めるかに関する交渉は不調に終わったと述べ、ヒコックスさんを公共の場所から遠ざけるために法の許す範囲で権限を行使すると強調。「誰であれ3フィート(約90センチ)以内に近付いてほしくない」と語る一方で、パトカーを付けたのはヒコックスさん本人を守るためだと主張した。

交渉の内容は不明だが、ヒコックスさんに対して外出禁止を命じる裁判所の命令は出ておらず、自転車に乗ったり外出したりしても法令違反にはならない。

ヒコックスさんは自転車で彼氏と外出

ヒコックスさんはシエラレオネで国際医療支援団体「国境なき医師団」のボランティアとして活動し、米国に帰国した。帰国時の空港で発熱があるとして一時病院に隔離されたが、2回のエボラウイルスの検査で陰性とわかり退院した。

州側は、エボラの潜伏期間が過ぎる11月10日までの21日間、自宅から出ないよう求めたが、ヒコックスさんは「科学的根拠もないのに市民権を侵害するのは許されない」と訴えている。

オバマ大統領は国民の不安を和らげる狙いで今週、西アフリカのエボラ流行国から帰国した医療従事者をホワイトハウスに招き、発症していない医療従事者が公衆を危険にさらすことはないと強調。「恐怖に反応してはならない。それよりも常識と技能と勇気による対応が必要だ」と力説した。

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