(CNN) 北大西洋条約機構(NATO)は29日、「異例の」規模のロシア軍機が28~29日にかけて欧州空域を飛行したと発表した。
爆撃機や空中給油機からなるロシア軍機の複数の部隊は、バルト海や北海、黒海の上空を飛行。「欧州空域における異例の水準の航空(軍事)活動」だとNATOは指摘した。
ロシア軍機はいずれもフライトプランを提出していなかったうえ、民間航空管制当局との無線交信も行わず、航空機の位置情報を知らせるトランスポンダーも作動させていなかった。「民間航空に危険をもたらしうる」とNATOは非難した。
NATOによれば、欧州空域でのロシア軍機の飛行は28日から29日午後にかけての24時間で19回以上確認された。
北海上空を飛行していたロシア軍機8機に対し、ノルウェー軍のF16戦闘機が緊急発進。一部はロシア方面に戻ったが、Tu95ベアH爆撃機2機は飛行を続けたため、ポルトガルからもF16が緊急発進した。
その後、ロシア軍機2機は大西洋を西に向かって飛行を続け、英戦闘機も緊急発進した。
NATOによればこの2機はその後、ロシアに向けて針路を変えたが、発表した時点ではまだ飛行を続けているという。
NATO関係者はCNNに対し、今回の事件から、ロシア軍が予告なしの航空軍事演習を近々行う可能性があるとの見方を示した。
ロシア軍機が異例の規模で飛行