(CNN) 世界16都市の公共交通機関で女性に対する嫌がらせの実態を調べた調査結果をトムソン・ロイター財団が発表した。東京は危険度ランキングで下から2番目と、調査対象の都市の中では米ニューヨークに次いで安全性が高いと評価されている。
調査の結果、中南米の主要都市では公共交通機関を使っていて身体的嫌がらせに遭ったという女性が10人中6人に上った。危険度はコロンビアの首都ボゴタを筆頭に、メキシコ市、ペルーの首都リマがワースト3だった。
東京は女性が地下鉄の車内で痴漢の被害に遭ったと頻繁に報じられているにもかかわらず、危険度は16都市のランキングで15位だった。2000年に登場した女性専用車など、相次いで打ち出された対策が評価された。
女性専用車はジャカルタ、クアラルンプール、デリー、カイロ、マニラでも導入されたほか、ロンドンも導入を検討中だという。
ただし世界銀行の専門家ジュリー・バビナード氏は女性専用車について、「根本的な問題に対応する代わりに性別で分離する短期的な措置でしかなく、長期的な解決にはつながらない」と警鐘を鳴らす。
都市別の回答をみると、モスクワでは多数が当局に通報しても捜査してくれるとは思えないと回答。パリの女性の85%は、トラブルに巻き込まれてもほかの乗客が助けに入ってくれるかどうか疑わしいと答えた。
世界の大都市の中でもエジプトのカイロやイランのテヘランなどでは十分な調査ができなかったためランク付けは見送った。しかし、トムソン・ロイター財団は、カイロの公共交通機関はもし調査できていればワースト5に入っていたはずだと予想している。
調査は英世論調査機関ユーガブと共同で実施し、6555人の女性や専門家に被害に遭った経験や夜間乗車の安全性、当局の対応などを尋ねた。
公共交通機関の危険度ランキングは以下の通り。
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1.ボゴタ(コロンビア)
2.メキシコ市(メキシコ)
3.リマ(ペルー)
4.ニューデリー(インド)
5.ジャカルタ(インドネシア)
6.ブエノスアイレス(アルゼンチン)
7.クアラルンプール(マレーシア)
8.バンコク(タイ)
9.モスクワ(ロシア)
10.マニラ(フィリピン)
11.パリ(フランス)
12.ソウル(韓国)
13.ロンドン(英国)
14.北京(中国)
15.東京
16.ニューヨーク(米国)