エボラ熱、強制隔離の看護師が退院 米ニュージャージー

2014.10.28 Tue posted at 11:12 JST

(CNN) エボラ出血熱の流行地域から帰国する医療従事者の強制隔離を義務付けた米ニュージャージー州の措置に基づき、同州の病院に収容されていた看護師が、27日に退院した。看護師の弁護士が明らかにした。

看護師のケイシー・ヒコックスさんはシエラレオネに1カ月間滞在。24日に帰国して同州のニューアーク国際空港に到着したが、同日発表されたばかりの強制措置に基づいて隔離された。CNNとのインタビューで、隔離は基本的人権の侵害だと訴えていた。

検査でエボラ熱ウイルスに感染していないことが確認され、退院した。弁護士によると、メーン州の自宅へ戻るために旅行の手配を進めているという。

同弁護士によれば、法廷で強制隔離措置の合法性を問うことも可能だが、ヒコックスさんは提訴するかどうかを決めかねているという。

ニュージャージー州のクリスティー知事は27日、ヒコックスさんの退院を喜んでいると述べ、「(ヒコックスさんを)病院に収容したのは高熱の症状がみられたためだ。症状がなくなり次第、退院になった」「州の住民なら自宅隔離とするところだが、他州の住民で症状が出ている場合は常識的に考えて公共交通機関に乗せるわけにはいかない」と説明した。

ニューヨーク、ニュージャージー両州が発表した強制隔離措置を巡っては、エボラ熱の流行地域に手を差し伸べようとする医師や看護師らの意欲をそぐことになりかねないとの懸念が指摘されている。

ニューヨーク市では26日までに、西アフリカへの渡航歴がある5歳の男児が発熱して検査を受けたが、陰性の結果が出た。男児は市内の病院に収容され、母親が付き添っているという。

強制隔離の看護師が退院

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