(CNN) カナダの首都オタワの国会議事堂で22日に起きた銃撃事件で、捜査当局は死亡したマイケル・ゼハフビボー容疑者とイスラム過激派組織との関係に重点を置いて捜査を続けている。
カナダ連邦警察のボブ・ポールソン長官は23日の記者会見で、「ゼハフビボー容疑者が犯行を計画するに当たって何らかの支援を受けていたかどうかについての捜査を急ぐ」と表明。「過激思想を共有する複数の人物との関係をうかがわせる情報」があると述べた。
同容疑者はカナダのモントリオールで生まれ、カルガリーやバンクーバーに住んでいた。リビアとカナダの二重国籍を持っていた可能性もある。
オタワには2日ごろに来てパスポートを申請しており、シリアへの渡航を希望していたとされる。過去にパスポートを取り上げられていたとの情報も流れたが、そうした事実はなかった。
ポールソン長官は、「犯行の動機はまだ完全には分かっていない。だが本人の過激思想や困難な状況と関係があったことは明らかだ」と語った。
警察は20日にケベックで兵士を車でひいて殺害した男と同容疑者との関係も調べているが、現時点で接点は見つかっていない。
複数の米テロ対策当局者が23日に語ったところでは、ゼハフビボー容疑者はイスラム過激思想を共有するカナダ国内の複数の人物と接触していたとされる。
ソーシャルメディアでつながっていた人物の中には、シリアでイスラム過激派に加わるため海外に渡航した疑いでカナダ当局に指名手配されている男がいることが分かった。2人はソーシャルメディアやインターネットでやり取りしていたが、親しくしている様子はなかったという。
同容疑者は過激派のウェブサイトも見ていたとされる。ただ、テロを計画していたことを裏付けるようなイスラム過激派との関係は確認されていないという。
カナダのベアード外相は、22日の事件は同容疑者が単独で起こしたもので、現時点では同容疑者がイスラム過激派組織に関与していたことを示す証拠はないと述べた。
カナダ議会は23日には平常に戻り、ゼハフビボー容疑者を射殺した警備員のケビン・ビッカーズ氏を盛大な拍手と歓声でたたえた。
議会の開会前には戦争記念碑前に議員が集まり、同容疑者に撃たれて死亡した兵士のネイサン・シリロ氏をしのんで黙とうをささげた。
カナダ議会銃撃事件、イスラム過激派との関係解明に全力