(CNN) 南アフリカの義足ランナー、オスカー・ピストリウス被告(27)が恋人の女性を射殺した罪に問われていた裁判で、同国の裁判所は21日、禁錮5年の刑を言い渡した。
裁判では、ピストリウス被告に恋人のリーバ・スティーンカンプさんを殺害する意図はなかったとして、過失致死罪の判決が下っていた。
南アの法律によると、同被告は刑期の6分の1に当たる10カ月以上を服役した後、申請により自宅での監視などが認められる場合がある。この日はさらに、事件前にレストランで発砲したとされる罪で禁錮3年、執行猶予5年の刑が言い渡された。
被告は法廷でスティーンカンプさんの名前が出ただけで泣き出すなど感情的な姿を見せることが多かったが、量刑が読み上げられた時にはほとんど表情を変えなかった。
数日前のCNNとのインタビューでは「刑務所に行くことを恐れてはいない」と語り、獄中で読み書きやトレーニングを教える奉仕活動に従事したいと話していた。
ピストリウス被告は昨年2月14日の未明、プレトリア市内の自宅で、浴室内のトイレにいたスティーンカンプさんを銃で撃って殺害したとして起訴された。裁判では、浴室からの物音を聞いて何者かが侵入したと思い込み、スティーンカンプさんとは知らずに発砲したと主張した。
検察側が計画的殺人だったとの立場から禁錮10年以上を求刑したのに対し、弁護側は自宅での監視と社会奉仕活動にとどめるべきだと主張していた。
判事は、トイレにだれかがいることを知りながら発砲した行為自体が重大な過失だったと断じる一方、初犯であることや本人が反省していることなどを考慮したと述べた。また、被告が有名人であることは量刑に一切影響していないと強調した。検察は量刑の言い渡しを受け、上訴するかどうかは未定だと述べた。
ピストリウス被告に量刑言い渡し