夫婦別姓を選ぶ理由・選ばない理由 「ミセス・クルーニー」から考える

2014.10.20 Mon posted at 16:14 JST

(CNN) 俳優のジョージ・クルーニーさんと結婚した英国人弁護士アマル・アラムディンさん(36)は、結婚するずっと前から関係者の間で知られた人物だった。しかし所属法律事務所のウェブサイトに掲載された名は、「アマル・クルーニー」に変更された。

夫の名を選んだアマルさんの決断は、フェミニズムや昔ながらの結婚観について考えさせるきっかけとなりそうだ。

配偶者の姓を選ぶかどうかは極めて個人的な問題だ。しかし同性婚も増える中、多様なカップルの間でこの問題は確実に浮上する。

結婚して改姓する女性は依然として多数を占める。2009年の調査によると、旧姓を使い続ける女性は1990年代をピークとして、2000代は18%前後で推移した。ただフェイスブックの最近の統計では、20代女性の約3分の1が結婚後も旧姓を使い続けている。

09年の調査によれば、高学歴で年収の高い女性ほど旧姓を使い続ける割合が多く、特に芸術やエンターテインメントといった分野でその傾向が強かった。

別の調査では、結婚年齢が高くなるほど旧姓を選ぶ女性が増える傾向も判明。例えば35~39歳で結婚した女性は、25歳未満で結婚した女性よりも旧姓を選ぶ人が多かった。

「さまざまな資格や個人資産、自分の名で築き上げたキャリアや事業など、自分の名とのかかわりは年を取るほど深くなる」。改姓手続き支援サービスを展開するダニエラ・テート氏はそう指摘する。

デジタル時代では自分のブランドがキャリアに重大な影響を与える。就職・転職活動中はグーグルの検索結果に気を配る必要があり、履歴書サイトの情報はツイッターやフェイスブックのプロフィルと一致させる必要がある。

だが自分のブランド以外に家族のブランドも考慮しなければならない。多くの女性は子どもを持つことを考えて改姓を迫られるとテート氏は言う。

一方で、万が一離婚したらどうなるかという問題もある。結婚した時は喜んで夫の名に変えたが、その後破局したという女性は掲示板サイトの「レディット」にこうつづった。「古い姓はどこまでも私を追いかけてくる」「夫は私を裏切ったのに、夫の姓が永久に私に付いて回るのは屈辱的」

改姓手続きにも多大な労力が要る。社会保障番号、運転免許証、パスポート、クレジットカード。健康保険や自動車保険。さらにはスポーツクラブの会員証や、アマゾンやペイパルといったインターネットサービスの登録名も変更しなければならず、職場の電子メ―ルアドレスも変わるかもしれない。

「自分の名は自分のアイデンティティーの一部なのか。そのすべてを変える意思があるのか」。そう自問するよう、テート氏はアドバイスしている。

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