エボラ感染の米看護師が旅客機に、同乗の全132人を調査

2人目の感染者が旅客機に搭乗していたことがわかり、当局が同乗者の調査を行う

2014.10.16 Thu posted at 09:54 JST

(CNN) 米国内で2人目となる看護師のエボラ出血熱感染が確認された問題で、米疾病対策センター(CDC)は15日、この看護師が発症する直前に国内便の旅客機に乗っていたことが分かったと発表した。CDCは同じ便に乗り合わせた132人全員に連絡を取り、聞き取り調査を行う方針。

CDCのフリーデン所長によると、テキサス州ダラスの病院に勤務する看護師のアンバー・ビンソンさん(29)は、同病院でエボラのため死亡した男性患者の看護を担当。同じ患者を担当していた同僚看護師の感染が確認されたことからビンソンさんも経過観察の対象となり、公共交通機関を利用しないなどの行動制限を求められていたという。

それにもかかわらずビンソンさんは10月13日、クリーブランド発ダラス行きのフロンティア航空機に搭乗した。搭乗前に測った体温は37.5度だったが、ほかに症状は出ていなかったという。ビンソンさんはCDCに体温のことと旅客機に乗ることを報告したが、飛行機に乗らないようには言われなかったという。

翌14日に症状が出てダラスの病院に入院し、15日に感染が確認された。

米国で2人目の感染者が出た

ビンソンさんについて、「同機に搭乗すべきではなかった」とフリーデン所長は指摘。同じ便に乗り合わせた乗客が感染するリスクは「極めて低い」としながらも、安全を期すため全員に連絡を取っていることを明らかにした。

ビンソンさんは、エボラ患者の治療実績があるアトランタのエモリー大学病院に転院。容体は「臨床的には安定している」という。

当局によると、先にエボラ感染が確認された看護師のニーナ・ファムさんも容体は安定している。ファムさん、ビンソンさんとも、9月28~30日にかけて嘔吐(おうと)や下痢など激しい症状に見舞われた患者の大量の体液に接していたという。

CDCは、この患者の治療にかかわったほかの医療従事者などが行動制限を守っているかどうかも確認する方針。

フロンティア航空によると、ビンソンさんが乗った機体はいったん使用を中止して徹底消毒を行った後に、15日から使用を再開した。

事態を受けてオバマ大統領は15日に予定していたニュージャージー州などの訪問を中止してホワイトハウスで閣議を招集し、政府の対応を協議した。

感染者が旅客機に搭乗

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