豪首相、G20出席のロシア大統領との「対決」を表明

オーストラリアのアボット首相(左)がロシアのプーチン大統領との「対決」を表明

2014.10.15 Wed posted at 17:00 JST

(CNN) オーストラリアのアボット首相は15日までに、20カ国・地域(G20)首脳会議に出席するため同国を訪れるプーチン・ロシア大統領と、マレーシア航空機撃墜事件を巡って「対決する」と表明した。ロシア側はこの発言に強い不快感を示している。

アボット首相は記者団の前で「プーチン氏と必ず対決する。プーチン氏に対して、ロシアの支援を受けた独立派がロシアに供与された武器でオーストラリア人を殺害した、と言ってやるつもりだ」と語った。対決を示す言葉として、オーストラリア式フットボールで真っ向からの攻撃を意味する「シャツ・オン」という表現を使った。

首相はさらに「われわれは憤慨している。ロシアが撃墜を望んでいなかったという主張は認めるが、犯罪捜査への全面的な協力を求める」と述べた。

マレーシア航空17便は今年7月、ウクライナ東部上空で撃墜された。死亡した乗客・乗員298人のうち、38人がオーストラリア人や同国在住者だったとされる。米国やウクライナが親ロシア派の仕業だと主張するのに対し、ロシアは一貫して関与を否定してきた。

マレーシア航空17便の墜落現場。死者の中にはオーストラリア人も多数含まれているという

G20は来月、オーストラリア東部ブリスベーンで開催される。プーチン大統領を招くことには反対意見もあったが、ホッキー豪財務相は12日、G20の総意により同大統領の出席が決まったと発表していた。

在豪ロシア大使館の報道官によると、ロシア、オーストラリアのどちらからもこれに合わせた二国間会合を望む声は上がっていない。

アボット首相の発言を巡るロシア政府の正式なコメントは出ていないが、同報道官はCNNとのインタビューで、「未熟」で「攻撃的」「無礼」な発言だと非難。また首相がオーストラリア独特のスポーツ用語を使っていることを指摘し、国内に向けたポーズだったとの見方を示した。

共産党系のロシア紙プラウダも社説の中で、アボット首相を「無礼で横柄、失礼、尊大」な「まったく厚かましい」人物だと厳しく批判している。

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