こんなもの売れるの? 機内販売の奇妙な世界

ちょっと変わった機内販売の世界とは

2015.01.01 Thu posted at 09:11 JST

(CNN) 旅客機の中の世界というのは、小売業の夢が実現したようなところがある。乗客は狭い室内に閉じ込められ、たいていは退屈している。また、空の旅ができるということは、一定の可処分所得がある証しだ。航空各社では、こうした乗客の財布のひもを緩めようと知恵を絞っている。

航空会社はもともと、運輸業としての性格が強く、その小売り戦略はごく素朴なものだった。それが近年では、機内販売にさまざまな趣向を凝らす会社が増えてきた。

こうした変化について、航空会社向けに機内販売戦略を提供しているゲストロジックス社の上席副社長、ダン・トンプソン氏は、「航空会社の小売り戦略は成熟して新局面を迎えた感がある」と述べる。機内食をみても、地ビールや地元名産の菓子が提供されるなど、ますます多様化しつつあるようだ。

東欧ラトビアの航空会社エア・バルチックにいたっては、2011年に機内で自動車を売る実験まで行った。航空会社で初の試みだったという。

機内は退屈?

同社は他にも、自転車レンタルや、仮想通貨ビットコインによる支払い、乗客の友人への機外からのサプライズ・プレゼントなど、航空会社として先進的な取り組みを重ねてきた。今では、機内でエア・バルチック・ブランドの靴を購入することもできる。

乗客を引きつけるのは、おなじみの定番商品が多いようだ。ただ、旅は特別な時間だけに、少し日常から離れ、変わった買い物をしてみたくなる時もあるだろう。

機内での不思議な買い物といえば、米国では通販カタログ「スカイモール」が定番だ。

「スカイモール」は、米国のほぼすべての国内便に置かれている季刊カタログで、25年近い伝統を持つ。一風変わったヒット商品として、雪男イエティの置物や、映画「スター・ウォーズ」に登場するロボット「R2-D2」のリモコンなどが知られている。

そんなスカイモール社のカタログも、近年では、スマートフォンなどに押され、機内での存在感が薄れていた。同社は今、時代の潮流に適応すべく変化の道を模索しているところだ。その一環として、携帯端末用の専用アプリを投入する予定もある。

同社の販促ディレクターであるダーリン・ガイガー氏によると、最近では、個々の商品を前面に押し出すように方向性が変わってきたという。同氏は「自ら積極的に変わり種の新商品を探していきたいと思っている。そのために、さまざまな展示会に足を伸ばし、世界中から新商品を見つけ出してきた」と語る。

もっとも、機内通販で最も売れているのは、スポーツ用品やペット関連商品だ。スカイモールで堅実な売り上げがあるのはやはり、こうした実用的な商品だが、一方で、乗客の想像力を刺激する奇抜な商品も忘れていない。

ガイガー氏は「まずは、新製品や問題解決に役立ちそうな商品に目を向けるようにしている。その上で、ソーシャルメディアで話題になりそうな商品や、マーケティングチームが扱って楽しい商品を探すことにしている」と話した。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。