(CNN) 従業員のワークライフバランスを向上させる取り組みとして、毎日午後6時になるとデスクが「消滅」するオフィスがオランダに登場した。
同国ハールレムにあるデザインスタジオのヘルデルグローエンでは、夜間と週末の間、作業用の大型デスクが鉄鋼ケーブルにつるされて天井まで持ち上げられる。
コンピューターなどの備品も天井に固定され、空いたスペースは「素晴らしいアイデアや可能性を持った人」に無料で貸し出す仕組み。社交イベントやヨガ教室、グルメフェスティバルなどの会場として使われているという。
「こうした活動によって従業員が働きやすくなる」「リラックスしたり何か別のことをしたりするとアイデアがわく」と同社幹部は説明する。
長時間労働ではなくスマートな労働を促す動きは欧州などの企業に広がっている。
独自動車大手フォルクスワーゲンは2011年から、ドイツ国内の一部従業員について勤務時間外の電子メール利用を制限するようになった。
フランスのIT企業アトスは、従業員が1日に受信する電子メールのうち役に立つものは10分の1程度しかないとする調査結果を踏まえ、社内メールの利用を全面的に廃止する取り組みを進めている。
スウェーデンのヨーテボリ市は職員の夏季の就労時間を1日6時間に短縮した。生産性を向上させ、病欠を減らすことを狙う。
一方、労働時間の極端な長さで悪名高いアジアでは、そうした動きはまだ極めて例外的だ。
経済協力開発機構(OECD)の統計によると、韓国の年間労働時間は平均2163時間で、メキシコを除く全OECD加盟国を上回る。
インドネシアでは昨年、広告会社に勤務していた27歳の従業員が長時間労働の末に死亡したことが報じられた。日本には「過労死」という単語さえ存在する。