(CNN) ノーベル平和賞の受賞者が10日に発表される。例年特に注目を集める平和賞だが、今年は過去最高の278候補がノミネートされ、発表を前にさまざまな憶測が飛び交っている。
最有力候補と目されるのはローマ法王フランシスコ。もし受賞が決まればローマ法王として初の平和賞受賞となる。ただしノーベル委員会は予想外の人物や団体を選ぶことでも有名だ。
以下に有力視されている一部の候補を紹介する。受賞者はこの中から選ばれるかもしれないし、ノーマークだった受賞者が発表されるかもしれない。
フランシスコ法王
欧州以外の国から選ばれた初のローマ法王。搾取される人たちへの共感と同情を示して世界中にファンを増やした。前任者たちの豪華ぶりとも一線を画している。
潘基文(パンギムン)国連事務総長
8番目の国連事務総長として、気候変動、パンデミック、食糧安全など世界の差し迫った課題に取り組んだ。
コンゴのデニス・ムクウェジ医師
性的暴行の被害者の救済に生涯をささげる医師。身体的、精神的傷を負った多くの被害者が治療を受けるために遠方から旅してムクウェジ医師の施設にやって来る。戦争のための武器として性的暴行が横行するコンゴで、同医師はなくてはならない存在だ。
エドワード・スノーデン氏
かつて米国家安全保障局(NSA)の情報分析を担当。米情報機関が世界中で行っている情報収集活動の実態を暴露した。
ホセ・ムヒカ・ウルグアイ大統領
世界一貧しい大統領とも呼ばれる。給与の97%を寄付し、1987年型のフォルクスワーゲン・ビートルに乗り、妻と共に自宅で花を売る元左翼ゲリラ。大統領宮殿には入居せず、首都モンテビデオの簡素な住宅に暮らす。カトリック国のウルグアイでマリフアナや同性婚を合法化させた。
マララ・ユスフザイさん
パキスタンの10代の少女。2012年に武装勢力タリバーンに襲撃されて重傷を負い、生き延びて逆境克服のシンボルとなった。イスラム武装勢力に狙われながらも女子教育の権利と学校に通う権利を訴え続ける。
ノーバヤ・ガゼータ紙
ロシアの独立系新聞。記者数人を殺害されながらもひるむことなくプーチン大統領批判を続ける。ノーベル平和賞受賞者のゴルバチョフ元大統領が賞金を投じて1990年代に創設した。
日本国憲法9条を保持してきた日本国民
憲法9条を守ろうとする日本の人々。戦争にまみれた世界の中で、そうした人たちこそ必要とされるのかもしれない。