香港、民主派との対話中止 梁長官に疑惑も浮上

民主派のデモ参加者=6日

2014.10.10 Fri posted at 11:17 JST

香港(CNN) 香港政府の林鄭月娥・政務官は9日、香港中心部で抗議の占拠運動を続ける民主派との対話を中止したと発表した。一方、梁振英・行政長官がオーストラリア企業から巨額の報酬を受け取っていた疑惑が浮上し、議会でも梁長官の辞任を求める声が強まっている。

デモ隊との交渉を担当する林政務官は、「対話を占拠活動に結び付けることは容認できない」と述べ、対話の中止を発表した。これに先立ちデモ隊の指導部は、参加者に占拠を続けるよう呼びかけていた。

香港学生連盟は林政務官の発表に対し、対話を巡る政府の姿勢には誠意がないと反発している。

一方、オーストラリアのフェアファクス・メディアは、梁長官がオーストラリアのエンジニアリング企業UGLと契約を結び、任期中に同社からひそかに640万ドル(現在のレートで約6億9000万円)の報酬を受け取っていたと報じた。

報道によると、梁長官とUGLの契約は2011年12月に結ばれた。UGLは最近、梁長官の勤務先の英不動産会社DTZの資産を買収している。

民主派のデモ参加者=6日

この契約を結んだ数カ月後に梁氏は行政長官に任命された。その後12年と13年の2回にわたり、300万ドル(2500万香港ドル)が支払われたとされる。

UGLと行政長官弁公室は9日に出した声明で、契約は「標準的な非侵害、非競争契約」だったと弁明。UGLは、梁氏に対する支払いがひそかに行われたとする報道は誤解を招くと主張し、「UGLにはこの契約を開示する義務はなかった」と強調している。

これに対して議会で梁長官に対抗する勢力は批判を強めており、情報の全面的な開示を求めていく意向だ。香港民主党の幹部は「行政長官が別の仕事を持ち、企業を助ける契約を結んでいることは許されない」と強調、議会として調査を求める意向を表明した。

ただし正式な調査を開始するためには採決が必要になり、親中派が多数を占める議会では承認されないだろうとの見方も示している。

梁長官に対しては、民主派のデモ隊からも辞任を求める声が強まっている。民主党の元幹部議員は、抗議デモへの対応を巡って梁長官の弾劾に向けた手続きを進めていることを明らかにした。

香港、民主派との対話中止 梁長官に疑惑も浮上

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