中国で隆興するソーシャルアプリ、国産サービスも充実

中国でソーシャルアプリが人気を博しているという

2014.12.07 Sun posted at 17:33 JST

(CNN) 中国でソーシャルアプリの人気が高まっている。人気の余波は地方部にも及ぶようになった。地方都市においても、若者たちの間では、ソーシャルネットワーク関連のアプリやサービスが主要な娯楽となっている。

依然として人気が高いのは、中国版ツイッターとも言われる「微博(ウェイボー)」だが、ここに来て、携帯端末向けアプリの「碰碰(ペンペン)」が若い世代の人気を集めている。

ペンペンは、ゲームとオンラインチャットを組み合わせた携帯端末用アプリで、今年6月に公開された。アンディ・ティアン氏らが420万ドル(約4.5億円)を元手に北京で会社を立ち上げて以来、順調に成長してきた。

ティアン氏はCNNの取材に対し、「ペンペンのユーザーは中国国内に400万人おり、最も成長速度が早いアプリの一つだ。1990年以降に生まれた24歳以下のユーザーが9割以上」と話し、こうした若い世代がソーシャルネットワークに最も熱心だと付け加えた。

ペンペンでは、ゲームなどを通じ、位置測定技術を利用して、楽しみながら新たな出会いを見つけることができる。フェイスブック風のフィードやグループチャットのほか、星占いや性格診断といった機能もある。

中国は多くのネットユーザーを抱えている

従来のSNSはあくまで出会いが主眼にあり遊びの要素が少なかったが、これに対し、ペンペンはいわばパーティーのようなもので、気軽に楽しみながら異性と交流できる点が売りだという。

ティアン氏は、「私たちは、飲食も含め、あらゆる娯楽をソーシャルメディアのプラットホームにつなげようとしているところだ。当たり前のことのようだが、これまで誰も思いつかなかった」と語る。

中国のSNSは近年、急拡大している。世界のソーシャルメディア市場で突出しているのは今のところ、米フェイスブックだが、中国のサイトも規模の面で肉薄してきた。

テンセント社の「QQ空間」は、インスタントメッセージ機能の「QQ」が圧倒的な人気となっている。さらに、同社のメッセージアプリ「微信(ウィーチャット)」も、サービス開始以来、わずか数年で急成長した。

また、中国では2009年以来、ツイッター、フェイスブック、ユーチューブといった大手サイトが市場から閉め出されており、その空白を利用して、中国版ツイッターの「微博(ウェイボー)」や、中国版ユーチューブの「優酷網(ヨウク)」といった国産サービスが成長した。

こうした中国当局の動きについては、ネット検閲ではないかとの声も上がっているが、識者の間では、国産サイトの保護が目的との見方が有力だ。

中国SNS界の勢力図も変化している。米調査会社フォレスター・リサーチのシャオフェン・ワン氏によると、かつて人気だった「微博(ウェイボー)」に代わり、最近では、「微信(ウィーチャット)」のような携帯端末向けのメッセージアプリが主流になりつつあるという。

同氏によれば、こうしたモバイル化の動きに加え、もう一つの潮流がある。現在、人気拡大中の匿名ソーシャルアプリだ。「秘密(ミーミー)」や「无秘(ウーミー)」といった匿名アプリが有名で、冒頭のペンペンの場合も、ユーザーは匿名と実名の好きな方を使うことができる。 

匿名アプリが流行している背景には、やはり、中国政府の厳しい検閲がある。ワン氏は「匿名の方が、ユーザーとしては情報を共有しやすい。ユーザーは表向きニックネームを使うが、その背後にはあくまで本当の人間関係があり、友人や同僚がいる」と指摘する。

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