(CNN) スペインのマト保健相は6日、同国の病院でエボラ出血熱の患者を担当した看護助手の女性が、エボラ熱に感染していたことを明らかにした。アフリカ以外で感染したのが確認されたのはこれが初めてとされる。
女性は、西アフリカでエボラ熱に感染して帰国後に死亡したスペイン人宣教師ら2人の治療にかかわっていた。保健当局者らによると、女性は9月30日に発症。症状は発熱だけで、入院したのは今週に入ってからだという。
マト保健相は「患者に最良のケアを提供し、市民全員の安全を確保するべく関係機関と協力している」と述べた。
女性が発症後に接触した可能性のある相手について調査を進めているが、現時点でほかに患者は見つかっていないという。
スペインへ帰国した患者2人の治療には、この女性のほか30人前後の医療スタッフがかかわっていた。
また、米国ではリベリア人男性が入国後に発症、重体に陥っていることを受け、エボラ熱流行への不安が広がっている。
オバマ米大統領は6日の記者会見で「当初から言っている通り、これはわが国の安全保障にかかわる最優先課題だ」と述べ、感染拡大を防ぐ措置が必要だと強調。米国に到着する旅客機の乗客を出発地だけでなく、到着地でも検査するよう検討を進める構えを示した。大統領はそのうえで、エボラ熱が米国内にまん延する危険性は極めて低いと語った。
リベリア人男性が発症、入院したテキサス州のペリー知事も同日、「州レベルでできることは限られている」と語り、連邦政府が入国時の検査やその場での隔離態勢を強化するべきだと主張した。
米保健当局者らが6日に話したところによると、男性は米企業が提供した抗ウイルス剤の投与を受けている。もともと天然痘などの治療向けに開発された実験薬だという。
一方、ネブラスカ州では6日、西アフリカでエボラ熱の実態を取材していて感染したフリーカメラマンの男性が帰国し、隔離病棟に収容された。衰弱の程度は軽く、飛行機から自力で降り立ったという。患者の父親は「取材に行くなど正気のさたではないと引き留めていたのだが」と話した。
スペインでエボラ熱感染 アフリカ外で初