ロンドン(CNN) 世界自然保護基金(WWF)は30日、世界に生息する野生動物の個体数が過去40年で半減したとする報告書をまとめた。現在の人間の需要を支え続けようとすれば、1個半の地球が必要になると指摘している。
今回の調査は哺乳類、鳥類、爬虫(はちゅう)類、両生類、魚類3000種あまりについて、1970~2010年の個体数の変化を調べた。その結果、この40年で個体数が52%減少したことが分かった。減少幅はそれまでの推計の30%を大幅に上回る。
最も影響が大きかったのは川や湖などの淡水にすむ生物で、76%の減少だった。一方、海洋や地上に生息する生物は39%減少していた。
気候別では熱帯に生息する種が63%減少し、特に中南米の減少率は83%に達した。
WWFは原因として、人間が食用のため過剰に動物を殺したり、生息地を破壊したりしていると指摘。「我々は自然資源を食いつぶし、将来世代のニーズの維持を難しくしている」と警鐘を鳴らす。
WWFは野生生物3000種について調査した記録をもとに、「生きている地球指数」を2年ごとに発表している。今回の指数では野生生物の減少に伴うリスクについて、これまでで最も強く警告した。
海洋生物が脅かされることに伴う世界の経済損失は、2050年までに最大で4280億ドル(約47兆円)に上ると試算している。