米軍が米製軍用品を破壊 イラクに供与後ISISが奪い利用

巡航ミサイル「トマホーク」などでISIS拠点を破壊

2014.09.28 Sun posted at 16:48 JST

ニューヨーク(CNNMoney) 米中央軍などは28日までに、イラクとシリアで続行するイスラム過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」を標的にした空爆で、米国がイラク軍に供与しISISが奪って実戦などに使用している装備品も破壊対象になっていることを明らかにした。

これら装備品には、装甲兵員輸送車も含まれ、イラクで今年8月からの空爆開始後、計41台を破壊したという。

米シンクタンク「戦略予算評価センター」の研究員によると、装甲兵員輸送車の製造費用は搭載の装備品によって異なるが、1台当たり約25万ドル(約2725万円)かかる。これら輸送車の破壊に使う爆弾は3万ドル相当となっている。

米国防総省当局者はCNNの取材に、テロリストによる米軍装備品の利用を確認した場合、装備品がもたらす脅威を消滅させる行動を起こすと指摘。装甲兵員輸送車を破壊すれば、米国は改めてイラク軍に補給せざるを得ない同様の輸送車の購入費を負担することにもなる。

米軍の最新鋭戦闘機F22も出動

米軍は今月22日夕からシリアのISIS拠点への空爆も始めており、イラクでの軍事作戦分も含め戦費は増大している。シリア内の空爆では1発の値段が約150万ドルの巡航ミサイル「トマホーク」を47発発射した。

シリアでの作戦には米軍の最新鋭戦闘機F22も出動し、初の実戦任務に就いた。同機の飛行には1時間当たり約6万2000ドルかかり、有人航空機の運用費用としても最も高いものとなっている。

シリアの空爆に参加した航空機が積んだとみられる爆弾の値段は2万ドルから3万ドルと推定される。

8月8日から9月23日までの期間で米軍がイラクで実行した空爆は198回、シリアでは20回となっている。これらの作戦経費の多くは米国防総省が業務遂行に要する1日当たりの支出額の中には含まれていない。この支出額は先月末の時点で平均で750万ドルだった。

空爆参加の米軍機や装備を見る

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