(CNN) スペイン北東部カタルーニャ自治州のマス州首相は27日、同州の独立の是非を問う住民投票を今年11月9日に実施するとの法令に署名した。
一方、中央政府は違憲行為と反発し、憲法裁判所に提訴して阻止する構え。同国の17自治州には国家から一方的に分離する憲法上の権利は付与されていないと主張している。同裁判所は提訴を受理するとみられ、住民投票の自動的な差し止めにつながる可能性もある。
カタルーニャ州の独立運動は、スコットランドで今月実施された、英国からの独立の賛否を問う住民投票によってさらに鼓舞されたとの見方もある。
同州の州都バルセロナでは今月11日の「カタルーニャの日」に数十万人規模の住民が街頭に集結し、独立をめぐる住民投票の実施を求めた。
住民投票が実現した場合、質問は2つになる見通し。最初に「州は国家となるべきか?」と問い、「イエス」の回答者が「この国家は独立すべきか?」の質問に進む内容になるとみられる。
ただ、同州住民の大多数は投票実施を望むが、投票が行われたとしても独立の支持票は大多数に満たないとの世論調査結果も出ている。
人口約750万人のカタルーニャ州はスペインの国内総生産の2割を占める経済規模を持ち、不利な税収配分などで中央政府への不満がくすぶっている。また、独自の言語や文化も誇る。
同州の政党、左派共和党の指導者は今月、中央政府が住民の基本的権利である投票を阻止するなら市民レベルで不服従運動に訴える必要があると強調。バルセロナでの11日の街頭デモの参加者は、中央政府が妨害しても住民投票は実施されるべきだとも主張していた。
カタルーニャ州独立投票求めデモ