シリア空爆 「テロリストに隠れ場所ない」とオバマ大統領

オバマ大統領は「米国民を脅かすテロリストに安全な隠れ場所は与えない」と言明

2014.09.24 Wed posted at 11:31 JST

(CNN) 米軍がシリアで過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」への空爆を開始したことについて、オバマ米大統領は23日、ホワイトハウスで「米国だけの戦いではない」とする声明を発表した。

オバマ大統領は声明で、「米国民を脅かすテロリストに安全な隠れ場所は与えない」と改めて宣言した。

大統領はまた、米国が幅広い連合体の一部として行動したと強調。「中東各国の政府や国民はISISを拒否し、平和と安全のために立ち上がった」と述べた。また米国内でも議会から超党派の支持を得ていると語り、「団結」を強調した。

大統領によると、米軍はシリア領内で同時に、国際テロ組織アルカイダ系の武装組織とされる「コラサン・グループ」を単独で攻撃した。

米国など各国がISISに対する空爆を行った

米当局者の話によれば、コラソン・グループは米国や欧州諸国への攻撃を計画していた。

歯磨きの容器や爆発性の液体に浸した布などを使って非金属製の爆弾を作り、航空機内に持ち込むといった作戦が検討されていたという。この問題に詳しい情報筋はCNNに、攻撃計画は過去1週間のうちに発覚したと語ったが、具体的な標的などには言及しなかった。

一方、シリアのジャファリ国連大使はCNNとのインタビューで、米国に対し「イラクの時と同様の盲目的な軍事攻撃によって、失敗を繰り返さないことを願う」と警告した。同大使は空爆開始について、パワー米国連大使から事前に通告を受けていたという。

米軍によると、シリアでの空爆は23日未明に始まり、バーレーンとサウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、ヨルダンが参加。カタールも後方支援を提供したという。

米艦船から発射されたトマホークミサイル=米海軍提供

現地時間午前3時半ごろ、まず米軍がコラソン・グループを標的に、海上からシリア東部と北部へミサイルを撃ち込んだ。

30分後にはほかの参加国とともに、北部でISISの本部や訓練キャンプ、戦闘車両を空爆。さらに第3波として午前7時すぎ、東部でISISの訓練キャンプや車両に空爆を加えた。

米当局者がCNNに語ったところによると、参加国が投下した爆弾は計200発。このうち150発が精密誘導弾だった。米軍が発射した巡航ミサイル「トマホーク」はコラサン・グループを狙った8発を含め、計47発に上った。

英国に拠点を置く非政府組織(NGO)、シリア人権監視機構は、空爆でISISの戦闘員70人以上が死亡、300人以上が負傷したと述べたが、CNNなどの報道機関はこの数字を確認していない。

シリアで活動するアルカイダ系武装組織「ヌスラ戦線」は、空爆で同組織の指導者が死亡したとの声明を出した。

米大統領、対ISIS空爆について説明

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