エボラの致死率71%、「対策に抜本的改善を」 WHO

現場で作業に当たる医療従事者。感染抑制に向けて、WHOが対策の抜本的改善を求めた

2014.09.24 Wed posted at 10:39 JST

(CNN) 世界保健機関(WHO)の専門家は23日、医学誌に論文を発表し、西アフリカで流行しているエボラ出血熱について、致死率を71%と報告した。また、感染拡大防止のための対策を抜本的に改善しない限り、患者や死者は今後も週に数百人から数千人の規模で増え続け、症例数は11月2日までに延べ2万人に達する可能性があると予測している。

WHOはまた、生命の危険を賭して治療や看護に当たっている医療従事者の貢献にも言及。ギニア、リベリア、シエラレオネの3カ国で今年3月からの半年間に医療従事者337人が感染し、うち181人以上が死亡したことも明らかにした。

WHOの報告書によれば、今回の流行が始まったギニアでは、国や国際社会の対応によって流行を食い止めたと思っても、隣国のリベリアやシエラレオネから再び感染が広がる状況が続く。

住民を啓発しようとした医療従事者が襲撃される事件も発生し、「恐怖に駆られた貧困層の住民による暴力を食い止めることが、最大級の障壁になっている」という。

リベリア首都モンロビアの治療センター。西アフリカでの感染者数が11月に2万人を超えるとの試算も

リベリアでは先週の時点で、わずか24時間の間に113人の感染が新たに確認されるなど、患者の急増が続いている。治療施設は満員で、多くの患者が入院を断られているという。

この影響で出産などの医療サービスにも支障が出ているほか、マラリア関連の死者はエボラによる死者を上回るかもしれないと警告した。

シエラレオネは伝統的な埋葬の習慣が原因で感染が急激に広がり、医療従事者や研究者が危険にさらされていると報告書は指摘。対策として、施設の安全性を高めて病床数を増やすこと、感染防止のための装備や遺体を入れる袋の供給、遺体を回収して安全に埋葬する態勢の強化などを挙げた。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。