300人殺害のコロンビア麻薬組織の元殺し屋出獄、模範囚で

2014.09.14 Sun posted at 16:38 JST

(CNN) 南米コロンビアの地元メディアなどは14日までに、1980年代に同国最大の麻薬密売組織だった「メデジン・カルテル」の悪名高い殺し屋だった52歳男性が22年ぶりに出所したと報じた。

殺し屋として「ポパイ」の異名も持っていたジョン・ハイロ・ベラスケス元受刑者で、模範囚として評価され、自由の身になったという。

同氏は1992年に自首した際、記者団に違法行為を全面否定していたが、その後の獄中会見などで約300人の殺害を告白。また、大半が民間人の3000人以上の殺害を主導していたことも白状していた。

同国のアルマンド・ベネデッティ上院議員は、釈放について他の受刑者と同様、関連法にのっとって検討された適正な措置と説明した。ベラスケス氏が殺害した被害者の一部の遺族は元受刑者の謝罪を受け入れるとして、釈放を支持する気持ちを示したが、反発する多数の遺族もいる。

ベラスケス氏は釈放を受け、多数の敵に命を狙われており、殺される可能性は80%とも発言。逮捕後に政府当局にメデジン・カルテルの構成員の名前や犯罪の詳細などを漏らした恨みを持たれているとした。

同氏は、西部メデジン市で勢力を誇っていた故パブロ・エスコバル率いる麻薬カルテルが抱える殺し屋だったとされる。

裁判で殺人罪の有罪判決を受けたのは、1989年の大統領候補殺害の1件のみだった。今回の釈放は刑期の4分の3を務めた後に実施された。

ベラスケス氏は刑務所でのメディアとの会見などで、兵士、警官、対立する麻薬カルテル構成員や一般市民ら約300人の殺害を告白。首都ボゴタ、メデジンやカリなどの都市で車爆弾を仕掛け、殺害したことも認めた。

また、多数の政界指導者の抹殺にも加担し、1988年1月には拉致した検察長官を殺害したことも自供。同月にはボゴタ市長選に立候補していた政治家アンドレス・パストラナ氏も誘拐していた。パストラナ氏はその苦境を克服し、98年から02年までは大統領を務めていた。

ベラスケス氏は12年、パストラナ氏と獄中で面会し、自らの犯罪を氏と家族に謝罪。「非常に大事な人生を危うくしたメデジン・カルテルによる悪行への許しを心の底からわびたい」とも述べていた。また、自らが手を染めた犯罪で被害者の体を切断したことを深く悔い、神にすがる気持ちが深まる契機になったことを打ち明けていた。

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