メキシコ麻薬組織の資金洗浄、中心は米ロス 捜査で巨額押収

2014.09.13 Sat posted at 16:22 JST

ロサンゼルス(CNN) 米連邦政府の司法当局は13日までに、ロサンゼルス市内にあるメキシコの麻薬密輸組織の複数の関係先を捜索し、現金や世界中にある銀行口座で推定1億ドル(約107億円)を押収したと発表した。

また、同市が麻薬カルテルによる資金洗浄の「中心地」と化している実態が判明したとも報告した。今回の巨額の押収は、情報提供を端緒に2年に及ぶ捜査の成果となっている。

メキシコ北部シナロア州居住の3人を含む計9人が資金洗浄容疑などで逮捕された。

捜査員1000人による家宅捜索などは2日間にわたり、各種店舗が迷路のような場所に密集する市内中心部の「ファッション地区」内で実施された。当初押さえた現金などは6500万ドルだったが、その後、1億ドル以上に膨れた。

現金は、メキシコ北部に拠点がある「シナロア・カルテル」のものとされ、誘拐の被害者の身代金などが含まれるとみられる。運び役が大型バッグやトランクなどに現金を詰め込み、ロサンゼルスに定期的に持ち込んでいるという。

同地区の産業団体の幹部は地元紙ロサンゼルス・タイムズに、地元には約4000の店舗や企業などがあり、売上高は毎年数十億ドルに達すると述べた。

米国の密売業者も絡む麻薬カルテルによる資金洗浄の手口は、同地区の店とメキシコの業者を通じた商品購入やメキシコの通貨ペソの闇価格での交換などが含まれる。商品輸送の手段では、ドルとペソ払いを使い分けて洗浄を行っていた。

米司法当局によると、麻薬カルテルは正規の金融機関などを通じた両国間でのドル送金などは、手数料が掛かる他、違法行為の発覚につながりかねないとして避けているという。

メキシコ政府は2010年6月、資金洗浄撲滅の対策としてメキシコの銀行が受け取る可能性があるドル表示の現金の額を制限する規制を打ち出していた。

カリフォルニア州のハリス司法長官は、同州がメキシコの麻薬カルテルによる資金洗浄活動の主要舞台となっていることについて、「米国への入り口に位置し、州として最大の人口を持ち、(州を国として計算した場合)世界で7番目の経済規模を有する」ことを背景要因に挙げた。

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