米国務長官がイラク入り 中東歴訪で対IS連合結成へ

2014.09.10 Wed posted at 19:22 JST

バグダッド(CNN) 米国のケリー国務長官は10日、イラクの首都バグダッドに到着した。さらにヨルダンとサウジアラビアを訪問した後パリへ向かい、イスラム教スンニ派の過激派組織「イスラム国(IS)」に対抗する連合の結成を目指す。

ケリー長官は8日、出発に先立つ記者会見で「ISの脅威と悪を排除するという目標に向け、地球上のほぼすべての国にそれぞれ果たすべき役割がある」と強調。米国の主導で「今後何カ月間、あるいは何年間も維持できるような」連合を構築すると表明していた。

イラクでは8日、アバディ首相率いる新政権が発足したばかり。米国はイスラム教シーア派主導のマリキ前政権下でスンニ派が不満を募らせたことがISの勢力拡大につながったとして、挙国一致政権の樹立を強く呼び掛けていた。ケリー長官は、新政権発足を「大きな節目」と評価した。

オバマ米大統領は8日、アバディ首相に電話で祝意を伝えた。米ホワイトハウスによると、同首相はこの電話で、イラク国内の各勢力や地域、国際社会と協力して、ISと戦うための能力を強化すると表明した。

オバマ大統領は10日、国民向けの演説でISの掃討に向けた外交、軍事、経済面での作戦を発表する。

イスラム過激派組織「イスラム国」が公開した映像。実行犯の特定が進められている=「イスラム国」から

米国はイラクでISの拠点など対して150回近い空爆を実施しているが、これらは主に米国人と米関連施設の防護や人道危機の回避を目的としてきた。また米軍の地上部隊は派遣しない方針を示している。

しかし、ISが米国人ジャーナリスト2人を殺害した映像を相次いで公開したことなどを受け、ISの本拠地シリアへの空爆など強硬策を主張する声が高まっている。

ただ、シリアでISを攻撃すれば米国と敵対するアサド政権を間接的に助けることにもなるため、オバマ大統領は消極的な姿勢を示してきた。

ケリー長官は10日にヨルダンでアブドラ国王と会談し、11日にはサウジアラビアへ。同国西部ジッダでペルシャ湾周辺6カ国との会合に臨む。さらにパリではイラク情勢に関する国際会議に出席する予定だ。

米国務長官がイラク入り

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