エボラ熱のワクチン、臨床試験で安全性確認へ 米

感染が広がるエボラ出血熱のワクチン開発に期待が高まっている

2014.09.02 Tue posted at 19:57 JST

(CNN) 米国立衛生研究所(NIH)は今週、エボラ出血熱を予防するワクチンの臨床試験を開始する。第1段階として、健康なボランティアを対象に人体への安全性を確認する。

このワクチンは、英製薬大手グラクソ・スミスクラインとNIH内のアレルギー感染症研究所(NIAID)が共同で開発し、チンパンジーを使った実験で非常に大きな効果が確認されている。

エボラ出血熱ワクチンの臨床試験が実施されるのはこれが初めて。食品医薬品局(FDA)は臨床試験の開始前に必要とされる審査を一部簡略化し、通常より早く許可を出した。

ワクチンは腕に注射する。最初は少量から始めて、少しずつ投与量を増やしていく。このワクチンを投与することによって、健康な人がエボラ出血熱に感染する恐れはないという。

まず副作用の有無を調べるため、成人3人に投与する。安全と判断されたら次は18歳から50歳までの少人数のグループを対象に、ウイルスへの強い免疫反応が生じるかどうかを確認する。副作用の有無についても詳しく観察を続ける。

WHOの許可による緊急投与に備えて準備を進める企業もある

NIHによると、同様の試験は英国と西アフリカのガンビア、マリでも実施する計画が進んでいる。感染国のギニア、シエラレオネ、リベリア、ナイジェリアは医療施設が整備されていないため、現時点では実施が困難とされる。

グラクソ・スミスクラインは臨床試験と並行して1万回分のワクチンを生産する方針。世界保健機関(WHO)の許可が得られれば、危険地域での緊急投与が可能になるという。

エボラ出血熱のワクチンはこのほかにも複数の候補が開発されている。カナダ公衆衛生局(PHAC)が開発し、米アイオワ州のバイオ企業、ニューリンク・ジェネティクスが今月ライセンスを取得したワクチンも今秋には臨床試験に入る見通しだ。

NIHが開発したもう1つのワクチンも、サルを使った実験で感染を防ぐ効果が確認されている。

エボラ出血熱のワクチン、臨床試験へ

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