プーチン氏、核能力誇り軍事対決の断念を促す 欧米けん制か

ロシアのプーチン大統領

2014.08.30 Sat posted at 16:22 JST

(CNN) ロシアのプーチン大統領は29日、同国は大規模な紛争を望まず、自ら攻め入る意図も持たないとしながらも、核抑止力と軍事力の効率化と近代化を進めていると述べた。

同国のタス通信によると、若者との会合で表明した。「ロシアは最も強力な核保有国の1つ。これは現実だ」ともし、「ロシアに対する侵略行為を撃退する準備を常時進めなければならない。(敵性国家は)軍事衝突でロシアに立ち向かわない方が良いことに気付くべきだ」と強調した。

これら挑戦的な調子の発言は、ウクライナ東部情勢へのロシアの介入に反発を強める欧米諸国のけん制を狙ったものともみられる。

同大統領はまた、ロシア大統領府を通じた声明で、親ロシア派武装勢力は東部で一般住民を危険にさらし犠牲者も出していたウクライナ軍の作戦を阻止したと主張し、親ロシア派への支持を公然と打ち出した。

ウクライナ東部情勢に関しては、英政府筋が29日、CNNの取材にロシア軍要員4000~5000人がウクライナに入ったことを明らかにした。

これら要員は部隊として編成され、東部のルガンスク、ドネツク両州で戦闘に参加しているとし、軍事侵攻を拡大していると指摘。さらに、国境周辺に兵士約2万人が集結し、増員の可能性もあるとした。

4000~5000人との数字は、米政府当局者が先に明らかにしていた約1000人から大幅な増加となっている。

英政府筋は、これら要員の主要任務は親ロシア派武装勢力の支援などで、ウクライナ政府への圧力を維持することと推測。ただ、ウクライナとの国境付近からロシアが併合したクリミア半島へ達する地上の回廊構築を目指す野心的な意図も否定出来ないと分析した。

ロシアによるウクライナへの軍事介入については、北大西洋条約機構(NATO)が先に同国内に侵入したとするロシア軍部隊の衛星写真を証拠として公表していた。これに対し、ロシアのラブロフ外相はコンピューターゲームから借りた画像と切り捨て、侵入の事実を否定していた。

米ホワイトハウスのアーネスト報道官は、ロシア大統領府の発言が何であれロシア軍部隊がウクライナに侵入し、同国軍の拠点を攻撃したのは事実と主張している。

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