(CNN) インターネット検索最大手グーグルは28日、開発中の無人機のテスト飛行の様子を公開した。
同社の「プロジェクト・ウイング」は、無人機を使った配送の可能性を探るプロジェクトで2年前から開始。今月に入って初のテスト飛行に着手し、これまでに30回を超える飛行に成功したという。
運んだものはチョコレートやミネラルウォーター、ラジオに救急キット、犬のおやつに牛用ワクチンなどで距離は1キロメートルだ。テスト場所には米国よりも無人機に対する規制のゆるいオーストラリア・クイーンズランド州の農場が選ばれた。
グーグルの無人機は幅1.5メートルの固定翼機で4つのローターが付いている。高度60メートルまで上昇可能だ。
無人機はものの運搬や配送のあり方を大きく変える可能性がある。ネット通販大手アマゾンや運送大手UPSなど、実用化を検討したりテスト飛行を行っている企業はいくつもある。
グーグルは当初プロジェクトの目標として、心臓発作を起こした患者のもとにAED(自動体外式除細動器)を運ぶことを目指していた。現在は、医薬品の運搬のほか、環境への負荷軽減を目標に掲げている。
無人機は渋滞した道路を回避でき、道路の整備されていない場所へも直線で飛行可能だ。大気汚染の点でも自動車より環境に優しい。
グーグルの無人機の実用化は数年先の見込みだ。今後は無人機による運搬の実現可能性を見極めた後、事故や騒音の対策に着手するという。