米、過激派包囲のトルクメン人救出の空爆検討 イラク

イラク軍のヘリで逃げようとするトルクメン人=イラク国防省提供

2014.08.28 Thu posted at 16:13 JST

ワシントン(CNN) 米政府当局者は27日、オバマ大統領がイスラム教スンニ派の過激派「イスラム国(IS)」が包囲するイラク北部アメルリ町で孤立する数千人規模のイスラム教シーア派の少数民族トルクメン人を救出するため、空爆と人道支援物質の投下を検討していることを明らかにした。

座視すれば、虐殺される恐れがあると懸念している。米ホワイトハウスのアーネスト報道官は記者団に、空爆などが選択肢にあることを認めた。

米軍は、イラク北部などで勢力圏を拡大するIS掃討のため拠点などの空爆に踏み切っている。最近では、クルド人自治政府の中心都市アルビル近くにあるIS陣地を新たな標的とする空爆を開始したとの情報もある。

ISが包囲するアメルリ町はバクバから北へ約113キロ離れている。包囲はISが今年6月中旬以降にシリアからイラクへ入り込み、拠点を拡大し始めた時から続いている。町の人口は約1万7400人で、停電などに襲われる窮境にあるという。

米国はIS拠点の空爆や人道支援物資の投下を検討=米海軍提供

国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)のピレイ高等弁務官は先に、食料や飲料水が不足し、医療態勢も不備の中で、虐殺の発生が差し迫っている懸念があると主張していた。ISはトルクメン人を異教徒と断じ、追放を宣言している。

トルクメン人に対してはイラク軍がヘリコプターで食糧を投下し、脱出の手助けも行っている。イラクの人権委員会当局者によると、トルクメン人住民の自衛は地方警察に頼るしか方途がないという。

国連の推計によると、アメルリ町のトルクメン人人口のうち約1万人が女性と子ども。イラク内にはシーア、スンニ両派のトルクメン人が居住し、住民数は同国総人口の最大で3%。

米国、トルクメン人救出の空爆検討 イラク

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