エボラ流行「予想より悪い」、コンゴでも13人死亡

エボラウイルス=CDC提供

2014.08.28 Thu posted at 10:17 JST

(CNN) 米疾病対策センター(CDC)のフリーデン所長は27日、西アフリカのエボラ出血熱流行について「状況は思っていたよりもさらに悪い」との見方を示した。

フリーデン所長はリベリアの首都モンロビアでCNNの取材に答え、「この流行が長引くほど、ほかの国に輸出される危険性は高まる。世界が力を合わせてリベリアと西アフリカの支援に早く取り組むほど、安全は増す」と語った。

世界保健機関(WHO)によれば、昨年12月以来、リベリア、ギニア、シエラレオネ、ナイジェリアでの感染者は2600人を超え、死者は1500人に迫っている。

CDCは、シエラレオネに派遣していた職員が現地で行動を共にしていた別の医療従事者に陽性反応が出たことを受け、この職員をチャーター機で米国に帰国させたことを明らかにした。

職員は無事米国に到着し、現時点で発症はしていないが、エボラの潜伏期間とされる21日間、経過観察を続ける方針。

陽性反応が出た医療従事者は、治療のためドイツに搬送されたという。

シエラレオネで作業にあたる医療従事者。状況は予想よりも悪いとの見方も出ている

WHOの25日の統計によると、エボラ出血熱のため死亡した医療従事者は120人、感染者は200人を超す。専門家はその理由として、防護服などの装備品の不足や不適切な使用など複数の要因を挙げている。

一方、アフリカ中部コンゴ(旧ザイール)の衛生省は26日、西アフリカとは別の出血熱の流行が起きた可能性があるとWHOに通知した。

衛生当局によると、同国で野生生物を処理した女性にエボラのような症状が出て、8月11日に死亡。その後、この女性に接触した医療従事者や親類などが次々に発症し、死亡しているという。

WHOによれば、7月28日~8月18日に24人が出血熱と疑われる症状を発症し、うち13人が死亡した。

現在、この症状がエボラウイルスに起因するかどうかを確認するための検査が行われている。

コンゴの感染者の中に、西アフリカでエボラが流行している4カ国への渡航歴がある人はいなかったことから、当局は西アフリカとは別に流行が発生したと見ている。コンゴでは1970年以来、6回にわたって小規模な流行が起きている。

エボラ流行、専門家に聞く

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。