(CNN) 英誌エコノミストの調査部門、エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)がこのほど、世界140都市の住みやすさを比較した今年のランキングを発表した。オーストラリアのメルボルンが4年連続のトップとなった。
EIUは企業が駐在員への特別手当を算出する際などの参考として、都市を「安定性」「医療」「文化と環境」「教育」「都市基盤」の主要5項目を基に採点し、満点を100としたスコアで順位を発表している。
メルボルンは医療や都市基盤で高い評価を受け、総合97.5点で首位を守った。殺人事件の発生率は人口10万人当たり3.1件と、世界平均の半分だった。
0.1ポイント差で2位になったオーストリア・ウィーン以下、10位までの顔ぶれは2011年から変わっていない。
昨年からスコアが変化したのは全体で20都市にとどまった。このうち半数以上は評価が低下した。安定性が主な要因とみられ、ウクライナのキエフやロシアのモスクワ、サンクトペテルブルクはウクライナ情勢の影響を強く受けている。
タイのバンコクも政情不安が響いて点数を下げた。最下位となったシリア・ダマスカスのスコアも悪化の一途をたどった。イラク情勢も悪化しているが、バグダッドは調査対象に含まれていない。
イランのテヘラン、リビアのトリポリ、リビアのアンマンは一時点数を大きく落としたが、その後比較的安定した時期が続いたため、今回は評価が改善した。
EIUのまとめによれば、過去5年間の世界の都市のスコアは全体として低下している。世界的な経済危機に続く不安定な国際情勢が背景にあるとみられる。5年間の下げ幅が最も大きかったのはキエフ、トリポリ、ダマスカスの3都市だった。
上位10都市は以下の通り。
1.オーストラリア・メルボルン
2.オーストリア・ウィーン
3.カナダ・バンクーバー
4.カナダ・トロント
5.オーストラリア・アデレード
5.カナダ・カルガリー
7.オーストラリア・シドニー
8.フィンランド・ヘルシンキ
9.オーストラリア・パース
10.ニュージーランド・オークランド