パレスチナ自治区ガザ(CNN) パレスチナ自治区ガザでイスラエルとイスラム組織ハマスが合意していた一時停戦が19日に崩壊し、双方が攻撃を再開した。長期停戦へ向けた交渉が成立する見通しは立っていない。
一時停戦は20日午前0時(日本時間同日午前6時)まで延長されていたが、この決定の数時間後、ハマスがロケット弾を発射した。ハマスの軍事部門カッサム隊は19日夜、イスラエル側へ20分間に29発のロケット弾を撃ち込んだと発表した。
イスラエル当局者によると、ネタニヤフ首相はイスラエル軍に反撃を指示。軍はガザへの空爆を再開するとともに、ガザ境界から40~80キロ圏内にある防空シェルターを開放した。
ガザの保健当局によると、イスラエル軍の空爆で少なくとも乳児1人を含む3人が死亡し、52人が負傷した。
ガザ南部ラファでは子ども3人を含む9人が負傷した。ハマス系テレビ局のアルアクサは、北部や中部でも空爆があったと伝えている。
エジプトの首都カイロでは、イスラエル代表団とハマスを含むパレスチナの代表団が長期停戦へ向けた間接交渉に臨んでいたが、イスラエル当局の高官は19日、同国の代表団が召還されたと述べた。
イスラエルが交渉を断念したとの見方もある一方で、ハマス幹部のイザト・リシェク氏は、代表団が停戦案を検討するために持ち帰ったとの解釈を示した。ただし同氏も「合意成立の可能性は非常に低く、困難な状況だ」と語った。
パレスチナの交渉団を率いるアッザム・アフマド氏は「イスラエル側は依然として自分たちの要求を押し付けようとしている。パレスチナとしては受け入れられない」と強調した。パレスチナ側は19日に最新の停戦案を提示し、イスラエルの返答を待っているという。
交渉ではイスラエルがハマスの武装解除を求めているのに対し、ハマスは「イスラエルに対する自衛のため」としてこれを拒否している。