ロシアの「人道支援」車両、ウクライナ国境に トラック280台

衝突によって被害を受けた建物や車=ドネツク

2014.08.13 Wed posted at 11:12 JST

キエフ(CNN) ロシアからの人道支援物資を積んだとされる白いトラック280台の車列が12日、ウクライナ東部国境へ向かっている。ウクライナ政府は、ロシアが支援に見せかけて同国東部への侵攻を目論んでいるとみて警戒を強めている。

国境付近には数千人規模のロシア軍部隊が展開し、ウクライナ東部のドネツク周辺では軍と親ロシア派勢力との衝突が続く。

ウクライナ外務次官は12日、記者団に対し「ロシアは常に新しい言い訳を持ち出す」「グルジアではロシアの少数民族を守っていると言い、ウクライナのクリミア半島ではNATO(北大西洋条約機構)の侵攻を食い止めたと言う」と批判。ドネツクなどがあるドンバス地方に対しては「人道支援を口実にしようとしている」と主張した。

ウクライナ当局者は、ロシアが軍の車両を塗り替えて目的をごまかそうとしているとも語った。ただその根拠は明らかにしていない。

NATOのラスムセン事務総長も11日にロイターの取材に対し、ロシアが人道支援に見せかけてウクライナ侵攻を目指している可能性は大きいと語った。

ロシアのプーチン大統領

これに対してロシアのプーチン大統領は11日、欧州連合(EU)幹部との会談で、赤十字国際委員会(ICRC)と連携してウクライナの市民に支援物資を届けると発言した。

一方ICRCは、車列の派遣についてロシアと合意した事実はなく、積み荷の中身も分からないとしている。

ロシアのタス通信は、トラックの車列は穀物400トンと砂糖100トン、ベビーフード62トン、医療物資や電力装置など54トンを積んでルガンスクへ向かっていると伝えた。

ウクライナ政府は9日にも、支援に見せかけたロシアの車列を阻止したと発表しており、今後も証明のないロシアからの支援車列はすべて阻止すると表明した。

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