(CNN) 西アフリカで拡大を続けるエボラ出血熱の流行は、ギニアで昨年末に死亡した2歳児から始まったとみられるとの研究結果を、国際共同チームがこのほど発表した。
米医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンに掲載された論文によると、2歳児はギニア南部の村に住んでいた。発熱や黒色便、おう吐などの症状がみられ、発症から4日後の12月6日に死亡した。
2歳児が感染した経路は不明。エボラ出血熱はウイルスの「自然宿主」とされるオオコウモリをはじめ、チンパンジーやゴリラ、サル、ヤマアラシなどとの接触で人間にうつることが知られている。
続いて母親が出血性の症状を示し、12月13日に死亡。3歳の姉が同29日、祖母が今年1月1日に相次いで死亡した。
祖母の葬儀には別の村からも数人が参列した。このうち2人がウイルスを持ち帰り、看病した医療関係者や親族にも感染が広がったとされる。
ウイルスは2月、医療関係者からさらに近隣の村へ拡大した。この時期の患者の主な症状は発熱、おう吐、重度の下痢で、出血はあまりみられなかったという。
ギニアの保健省や国際医療支援団体、国境なき医師団には3月初めに報告が入り、調査団が現地入りした。
論文をまとめた研究チームは、フランス、ドイツ、ギニアの研究機関と世界保健機関(WHO)、国境なき医師団の研究者で構成されている。
エボラ出血熱の感染はリベリア、シエラレオネ、ナイジェリアにも広がり、これまでに1000人近い死者が出ている。
エボラ感染拡大に高まる懸念