米軍、イラク過激派をさらに空爆 大統領は長期戦を示唆

米軍は9日、前日に続いてイラク北部で空爆を行った

2014.08.10 Sun posted at 10:57 JST

(CNN) 米軍は9日、イラク北部で前日に引き続き、戦闘機と無人機からイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」に対する空爆を実施した。オバマ米大統領は記者団との会見で今後の日程を示さず、長期戦となる可能性を示唆した。

米軍の発表によると、米軍機は北部アルビル近郊で、「イスラム国」がクルド系少数宗派ヤジディ教徒への攻撃を仕掛けているとみられる拠点を空爆した。

北部モスルの保健当局者はCNNに、この空爆で「イスラム国」の戦闘員少なくとも16人が死亡したと述べたが、国防総省はコメントを出していない。

米軍はまた、北部シンジャル近郊で9日、ヤジディを攻撃していた「イスラム国」の装甲人員輸送車(APC)2台を空爆。約20分後に現れたAPC2台とトラック1台に対しても空爆を実施した。約3時間後にはさらにAPC1台を攻撃したと発表している。

オバマ大統領はホワイトハウスでの会見で、「これは数週間以内に解決できるような問題ではない」と指摘。「イスラム国」の勢力を抑えるためにはイラクの治安部隊を強化するとともに、より包括的な政権を樹立させる必要があると述べ、「長期的な取り組みになる」との見方を示した。

国連の難民キャンプ

オバマ大統領によると、米軍はシンジャル山に逃げ込んだヤジディ教徒の解放に向け、山を包囲している「イスラム国」部隊への攻撃も検討している。

シンジャル山ではヤジディ教徒約4万人が孤立しているとされる。米国は援助物資を投下し、英国とフランスも協力を表明しているが、国連児童基金(ユニセフ)によれば、猛暑と食料、水不足により、すでに子ども60人を含む多数の死者が出ている。

ユニセフは「物資が届いていない何千人もの人々が危機に陥っている」と指摘し、物資を運ぶ陸路の確保に国際社会からの支援を求めた。

オバマ大統領はまた、過激派に参加する外国人戦闘員らはイラクやシリアにとどまらず、欧米にも攻撃を仕掛ける恐れがあると述べ、「対テロ作戦」の側面を改めて強調した。

米がイラクで空爆

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