(CNN) ハリケーンの来襲が少ない米ハワイ諸島に、2つのハリケーンが7日から10日にかけて相次いで接近する。強い風雨や高波が予想され、当局は警戒を強めている。
ホノルルの中部太平洋ハリケーンセンターによると、ハリケーン「イゼル」が7日夜にハワイ島を直撃する恐れがあるほか、10日にはハリケーン「フリオ」がハワイ諸島北部を通過すると予想される。イゼルの最大風速は6日夜の時点で約40メートルで、接近するにつれて勢力は弱まるとみられる。同センターは6日午後、ハワイ郡にハリケーン警報を発令した。
米国立測候所はイゼルの接近に伴い強い雨と高波が予想されると発表。沿岸部では最近の降雨の影響もあり水害が起きる可能性があるという。フリオも雨や強風をもたらす恐れがある。
アバクロンビー州知事は6日、ハリケーンの接近を受けて非常事態宣言に署名した。
イゼルの接近に備えて、ハワイ島やマウイ島の学校は7日を休校にする。地元の小売店では客が殺到し、飲料水などを買いだめする様子が見られた。店の従業員はCNNの系列局KGMBに「米や水、トイレットペーパーがたくさん売れた」と語った。オアフ島ホノルルのガソリンスタンドでは給油待ちの行列もできた。
一部の航空会社では、ハリケーンの直撃が予想される7日以降の便について、予約の変更手続きを無料で行う対応を始めた。
ハワイ島の建設業者クリス・オーウェンさんは、「サーファーは嵐が来ると大喜びしているが、それ以外の住民はパニックだ」「島にそびえる大きな山々が守ってくれるという人も多いが、24時間もしたらこの考えは間違いだと分かるはずだ」と語った。
一方で、嵐が来るのを楽観的に見ている人もいる。ハワイ島でサーフボードの店を営むスコット・マレーさんは、被害を心配するよりいい波が来ることを楽しみにしている住民も多いと語った。
ハワイに2つのハリケーンが接近