(CNN) 世界保健機関(WHO)は6日、エボラ出血熱による死者が932人に達したと発表した。患者が集中している西アフリカの3カ国に加えてナイジェリアでも看護師が死亡し、サウジアラビアでも同日死亡した男性がエボラウイルスに感染していた疑いが浮上。リベリアではスペイン人牧師の感染が確認されるなど、感染拡大の不安が各国に広がっている。
リベリア情報省は6日、サーリーフ大統領が非常事態を宣言したと発表した。
WHOによると、これまでの死者は西アフリカのリベリア、シエラレオネ、ギニアに集中しており、合せて1700人以上の感染が報告されている。これにナイジェリアを合わせた4カ国で、2~4日の3日間だけで新たに108人の症例が報告されたという。
一方、サウジアラビアの保健省によると、ジェダの病院で6日に死亡した男性は、シエラレオネに出張後、ウイルス性出血熱の症状が出て4日から入院していた。
ナイジェリアの保健省は同日、同国で死亡したリベリア系米国人パトリック・ソイヤーさんの看護に当たっていた看護師が死亡したと発表した。同国ではこれまでにさらに5人の感染が確認されているという。
WHOの統計にはこの2人は含まれていない。
スペイン政府は、リベリアでエボラ出血熱に感染したミゲル・パハレス神父をマドリードに搬送すると発表した。今回の流行で患者が欧州に搬送されるのは初めて。スペイン国防省が医療設備を搭載したエアバスA310型機でパハレス牧師をマドリードに搬送し、市内の病院に入院させる。
WHOはスイスのジュネーブで各国の専門家による緊急会合を開き、今回の流行を国際公衆衛生上の非常事態と宣言するかどうかについて検討する。結果は8日に発表する予定。