イスラエル軍が避難施設に攻撃 米・国連から非難の声

国連の潘事務総長。北朝鮮の工業団地訪問が同国の通告により突如キャンセルされた

2014.08.04 Mon posted at 11:37 JST

エルサレム(CNN) パレスチナ自治区ガザで3日、国連運営の避難所となっている学校がイスラエル軍の攻撃を受け、少なくとも9人が死亡した。国連と米国は攻撃を非難する声明を出した。

国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)によると、学校にはガザの住民約3000人が避難していた。

国連によると、この攻撃で9人の死者が出た。パレスチナ保健省は10人が死亡したと発表している。少なくとも27人が負傷した。

イスラエル軍は、ガザの武装組織イスラム聖戦のメンバー3人が学校の近くでバイクに乗っているところを狙って攻撃したと説明。作戦の成果を調べていると述べたが、標的の3人に命中したかどうかには言及しなかった。

国連の潘基文(パンギムン)事務総長は声明で、攻撃を「重大な国際人道法違反」「義憤に堪えない犯罪行為」と非難し、事実関係の迅速な調査を求めた。

米国務省も、攻撃に「がく然としている」との声明を発表。「イスラエルには民間人の犠牲者を避けるよう、改めて一層の努力を求める」と呼び掛けた。さらに「武装勢力が近くで活動しているとの疑惑で、罪のない多くの市民の命を危険にさらす攻撃は正当化できない」と強調した。

ロケット弾攻撃を受けた車両。3日には国連施設が攻撃を受け死者が出た

これに対してイスラエル軍の報道官は、イスラム組織ハマスなどの武装勢力が民間人の集まる場所にわざと拠点を置いていると主張。「ハマスは数週間前から特に、国連施設からの攻撃を繰り返している」と述べた。

イスラエル軍とハマスの衝突が始まってから約1カ月の間に、国連の避難所となっている学校が攻撃を受けたのは少なくとも7回目。7月30日にもガザ北部の学校が砲撃されて多数の死傷者が出たばかりだ。人口密集地を舞台とした双方の戦術に対し、疑問を呈する声が強まっている。

ガザでは水不足や、衛生状態、医療環境の悪化による人道危機が指摘されている。国際赤十字は3日、医薬品や血液を積んでガザへ向かおうとしたトラック2台が治安上の懸念でやむなく引き返したことを明らかにした。

一方、イスラエル軍は3日、ハマスが拉致したとみられていた同軍兵士について、ガザ南部ラファでの自爆テロで、一緒にいた兵士2人とともに死亡したと断定した。現場近くで遺体の一部が見つかったという。

イスラエル軍は4日、同日午前10時から7時間の人道的休戦に応じると発表した。ただハマス系のアルアクサ・テレビによると、ハマス報道担当幹部は休戦には同意していないと話している。

国連施設に攻撃 米が非難

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