(CNN) 飼い主が旅行を楽しむ間、愛犬にもぜいたくなホテルライフを――。米各地で豪華な個室やプール、サロンを備えた高級ペットホテルが人気を呼んでいる。
米ペット用品協会(APPA)によると、米国でペットを飼っている人が今年、ペットの預け先や手入れに費やす金額は計47億3000万ドル(約4800億円)に達する見通し。業界の規模は過去10年間でほぼ倍増し、今後も飼い主の増加や収入増、サービスの多様化などを背景に、一段と成長の勢いを増すとみられる。
ジョージア州カレッジパークの「ペット・パラダイス」は、ペット向けの高級リゾートホテルだ。アリソン・ジョセフソンさんは夫のマーカスさんとアラバマ州の親族を訪問する間、4歳のラブラドール・レトリバー、ペニーの預け先にここを選んだ。
「私たち夫婦は子どもがいないから、この子を赤ちゃんとしてかわいがり、甘やかしている」とアリソンさん。普通のペットホテルではケージに入れられてしまうのがいやだった。
ペット・パラダイスの「プレジデンシャル・ファルコンズ・スイート」なら、薄型テレビと小さなベッド、冷水器、窓からの眺め、それにインターネットを通してペットの様子が見えるカメラもそろっている。ペニーはここに3泊した。
各種サービスが追加料金なしで受けられるオールインクルーシブ制で、1泊75ドル。標準的なスイートならもう少し安く、一泊38ドルで預けられる。テレビや豪華な装飾はないが、やはりベッドと冷水器、テラスは完備されている。
滞在中はルームサービスの食事を楽しみ、プールで自由時間を過ごすこともできる。毎日のおやつには骨やアイスクリームが出され、食事をフォークで与えてもらうといった希望もかなえられる。
ニューヨークの「ディー・ペット・ホテルズ」はさらにぜいたくだ。スイートルームは1泊84ドルから、上は200ドルまで。最上級の部屋はモダンなデザインで、ベッドにはたくさんのぬいぐるみが待ち受けている。運動不足を防ぐには、トレーニングルームのランニングマシンがぴったりだ。
どちらのホテルにもペットが走り回れるような広い遊び場があり、それぞれのペットの性質に合わせたグループ遊びのプログラムも用意されている。
滞在中に受けられる入浴やヘアアレンジ、マニキュアといったサービスも豊富だ。ジョージア州アトランタにある「グラマー・ポーズ」のサロンでは、しみ取りに効果があるとされる「ブルーベリー・パック」が好評だという。
ここはリクエストに応じた毛染めも得意。耳と足、尾を鮮やかなピンクに染めたり、足だけ赤くしてハイヒールを履いたように見せたりした例があるという。
滞在後の締めくくりも、もちろん優雅に。ディー・ペット・ホテルズでは専属の運転手が、黒塗りの車やリムジンでペットを自宅まで送り届けてくれる。同じチェーンのロサンゼルス店は、ランボルギーニやフェラーリなどの高級車を取りそろえているという。
犬の高級ホテルが人気