中国共産党、前最高指導部メンバーの周氏を調査

周永康・前政治局常務委員に「重大な規律違反」の疑いがあると中国共産党が発表

2014.07.30 Wed posted at 17:49 JST

北京(CNN) 中国共産党は29日、周永康(チョウヨンカン)・前政治局常務委員(71)に「重大な規律違反」の疑いがあるとして、正式な調査を開始したことを明らかにした。

政治局常務委員は党の最高指導部にあたる。周氏は2012年末に引退するまでこの地位にあり、治安当局を掌握していた。経済格差の拡大や汚職への反感を背景に中国全土で抗議行動が続発するなか、国内治安維持にかける予算は同氏の下で、国防予算を上回る規模まで増大した。

周氏が犯したとされる違反の詳細は不明だが、習近平(シーチンピン)国家主席は12年末の共産党総書記就任以来、公務員らの汚職を徹底的に取り締まる運動を展開してきた。「トラもハエも退治する」と宣言し、中国中央テレビ(CCTV)によるとこれまでに大物の「トラ」35人を摘発した。

特に最近、周氏に連なる人物が次々と摘発され、同氏の親族らにも調査が及んでいた。周氏自身が自宅軟禁の状態に置かれたとのうわさもあった。周氏が起訴されれば、汚職撲滅運動の中でも最大の人物となる。

周永康氏への調査は党幹部の今後の行動にも影響するか

中国の政界に詳しい香港中文大学のウィリー・ラム教授は、周氏が起訴され、公の場で裁判にかけられるのは「ほぼ確実」との見方を示す。「これまで政務局常務委員の経験者が罪に問われることはあり得なかったが、習主席はそのタブーを破るほどの力を持っていることを示した。それが重要なところだ」と、同教授は指摘する。

ラム教授はまた、「この動きにだれもが震え上がっている。党幹部の行動にも大きな影響が及ぶだろう」としたうえで、「汚職が撲滅されることはだれも期待していない。チェックアンドバランス(抑制と均衡)機能のない中国の体制に、汚職は付き物だからだ」と語った。

中国共産党、周永康氏を調査

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