災難続きのマレーシア航空、財政悪化で政府の支援必至か

墜落した機体から上がる黒煙。マレーシア航空に公的支援が必用との見方が出ている

2014.07.19 Sat posted at 14:52 JST

香港(CNNMoney) ウクライナ東部で17日に発生したマレーシア航空17便(乗客乗員298人)の墜落は同社にとり、約4カ月間で2度目となる大惨事となった。今年3月8日には、クアラルンプール発、北京行きの370便(乗客乗員239人)が突じょ消息を絶ち、いまだに機体残骸も見付からない状況となっている。

両便の機材はいずれも米ボーイング社製の777型機。

同航空は370便の問題が起きる前から財政難に苦しんでおり、今度の墜落で一層の経営苦境に陥る可能性がある。株価は18日に11%下落したが、一時は17%落ち込む局面となっていた。マレーシアの空港関連株も約5%目減りした。

370便の問題では、費用がかかる法廷闘争や乗客の家族らに対する数百万米ドル規模の補償金支払いなどの後処理を抱えている。17便の墜落を受け、同社は経営破綻(はたん)を免れるため公的資金の投入に迫られるとの見方が出ている。

マレーシア航空に公的支援が必用との見方も

マレーシア航空は近年、格安航空を含めたライバル企業の台頭で収益減や市場シェアの縮小を被っていた。値上げをしないチケット販売や経費節減、長距離路線の廃止などの措置で経営改善を目指してきたが目立った成果は出ていなかった。過去3年は連続で赤字経営となっていた。

マレーシア政府は過去に同航空の救済に乗り出したことがあるが、いずれも一時的な効果しかもたらさなかった。スイスの金融機関大手クレディ・スイスのアジア太平洋の運輸問題担当アナリスト幹部によると、政府は約10年前に新たな国営企業を創設し、同航空の資産管理や債務などを引き受ける措置を講じた。この結果、同航空の収支は数年間収益を取り戻していたが、経営で新たな不手際などが起きると共に元のもくあみになったという。

政府は17便の墜落を受け、マレーシア航空への資金援助に踏み込むとの姿勢はまだ示していない。

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